グローバルサウス台頭と中国の役割 イェール大歴史家が語る世界秩序 video poster
国際ニュースの世界では、いま「グローバルサウス」と中国の関係が、新しい世界秩序を考えるうえで重要なテーマになっています。イェール大学の歴史学者オッド・アルネ・ヴェスタッド氏は、特にアフリカを中心としたグローバルサウスの台頭と、中国の関わり方が、今後の国際秩序と安定を左右すると見ています。
グローバルサウスはなぜ注目されているのか
グローバルサウスとは、アフリカやアジア、ラテンアメリカなど、これまで国際政治や経済の中心ではなかった国や地域を指す言葉として使われています。ヴェスタッド氏は、このグローバルサウスが、将来の世界秩序を形づくる「現実の力」として浮上していると強調します。
その背景として、氏は次の二つの要素を挙げています。
- 人口動態の勢い(人口増加と若い世代の存在)
- 長期的な開発と成長の積み重ね
特にアフリカは、若い人口構成と都市化の進展を通じて、世界経済や国際政治に対する影響力を高めつつあります。こうした変化は、これまで「周縁」と見られてきた地域が、国際社会の中心的なプレーヤーになりつつあることを意味します。
アフリカが「未来を形づくる力」になる
ヴェスタッド氏は、アフリカを含むグローバルサウスが、未来の世界秩序を語るうえで欠かせない存在になっていると見ています。特にアフリカについては、単なる「支援の対象」ではなく、自らルールづくりや議題設定に関わる主体として浮上している点を重視します。
人口動態の勢いは、労働力や消費市場の拡大につながり、長期的な開発はインフラ、教育、技術などの分野で着実な変化を生み出します。これらが組み合わさることで、アフリカや他のグローバルサウスの地域は、国際社会においてより大きな発言力を持つようになると考えられます。
中国の役割 「貿易だけではない」安定への貢献
こうした変化の中で、中国の役割も注目されています。ヴェスタッド氏は、中国が世界の安定に貢献できるのは、単に貿易や投資を通じてだけではないと指摘します。
氏によれば、中国は次のような形で、グローバルサウスとともに国際秩序の安定に寄与しうるといいます。
- 国連という多国間の場で、他国と対等なパートナーとして関わること
- アフリカやアジアなどの地域枠組みにおいて、協力を進めること
ここで重要なのは、「対等なパートナー」という点です。一方的に支援する・されるという関係ではなく、グローバルサウスの国々とともに議題をつくり、ルールを話し合い、国際社会の課題に共同で対応する姿勢が求められているといえます。
国連と地域枠組みの意味
ヴェスタッド氏が国連や地域枠組みを重視する背景には、国際問題の性質の変化があります。気候変動、感染症、経済危機、デジタル技術のルールづくりなど、多くの課題は一国だけでは解決できません。
国連の場では、多くの国が参加して、国際ルールや共通の目標について議論します。また、地域枠組みは、近隣の国同士が具体的な課題で協力しやすい利点があります。中国とグローバルサウスの国々が、こうした場で対等に議論し、責任を分かち合うことは、世界全体の安定にとって重要な意味を持ちます。
日本からこの変化をどう見るか
2025年現在、日本に暮らす私たちにとっても、グローバルサウスと中国の関係は決して遠い話ではありません。日本企業の投資先、サプライチェーン、エネルギーや資源、さらには安全保障や気候政策にまで影響が及ぶ可能性があります。
この記事を読む読者のみなさんが、次のような問いを持つことは、今後のニュースを読み解くうえで有益です。
- アフリカや他のグローバルサウスの国々は、どの分野で主導的な役割を果たし始めているのか
- 中国は、国連や地域枠組みで、どのように対話や協力を進めているのか
- 日本やアジアの国々は、その変化の中でどう関わっていくべきなのか
「読みやすいのに考えさせられる」ニュースのために
ヴェスタッド氏の視点は、世界を「先進国」と「それ以外」に分ける古い見方から離れ、人口動態や長期的な開発といった時間軸の長い変化に目を向ける必要性を示しています。その中で、中国とグローバルサウスが国連や地域枠組みでどのようにパートナーシップを築くかは、今後の国際ニュースを読み解くうえで重要な鍵になります。
これから数年、ニュースの見出しに現れる「グローバルサウス」「アフリカ」「中国」「国連」といったキーワードの裏側に、どのような長期的な流れがあるのか。日々のニュースを追いながら、自分なりの視点をアップデートしていくことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
Odd Arne Westad: China's role matters amid a rising Global South
cgtn.com








