中国がイラン攻撃を非難 国連安保理で米国の核施設空爆を批判 video poster
米軍によるイランの核施設への攻撃をめぐり、中国が国連安全保障理事会(安保理)の緊急会合で強く非難しました。国際法や主権、核不拡散体制への影響が問われており、2025年12月8日現在、中東情勢をめぐる国際ニュースの大きな焦点となっています。
中国が米国の攻撃を「国際法違反」と批判
中国は、米軍によるイランの核施設への一連の攻撃について、イランの主権を侵害し国際法に反するとして強く非難しています。
現地時間の日曜日に開かれた国連安全保障理事会の緊急会合で、中国の傅聡(フー・ツォン)国連大使(常駐代表)が発言しました。傅大使は、今回の攻撃が地域の不安定化を招き、核不拡散体制を損なうものだと警告しました。
また傅大使は、国際社会に対し「正義を守り、具体的な行動を取り、平和と安定を回復するために努力すべきだ」と呼びかけ、軍事行動ではなく平和的な解決を求めました。
中国の発言が示す三つの懸念
傅大使の発言からは、中国が今回の攻撃について少なくとも次の三点を懸念していることがうかがえます。
- 国際法と主権の侵害:他国の核施設を武力で攻撃することは、主権尊重の原則や武力不行使の原則に反すると指摘しています。
- 地域の安定の揺らぎ:軍事行動が報復や連鎖的な緊張の高まりを招き、中東全体の不安定化につながりかねないという懸念です。
- 核不拡散体制へのダメージ:核兵器の拡散を防ぐための国際的な枠組みが弱体化し、ルールに基づく管理よりも力による対応が前面に出てしまうおそれがあります。
「核不拡散体制」とは何か
傅大使が特に強調したのが「核不拡散体制」への影響です。核不拡散体制とは、核兵器を持つ国をこれ以上増やさないこと、その一方で平和利用のための原子力技術は国際的なルールのもとで共有することをめざす取り組みの総称です。
核施設への軍事攻撃が前例となれば、各国が安全保障上の不安から核開発を急いだり、対立相手の施設を先制的に攻撃する口実に使ったりするリスクがあると見ることもできます。その意味で、中国の懸念は、イランと米国の二国間問題にとどまらず、国際秩序全体に関わるものだと言えます。
米国・イラン・中国――複雑に絡む力学
米国とイランの関係は、長年にわたり緊張と対立が続いてきました。そこに中国を含む他の大国の利害やエネルギー、安全保障の思惑が絡み合い、中東情勢は一層複雑になっています。
今回、中国が国連安保理の場で明確に米国の行動を批判したことは、軍事力ではなく国際法と多国間協議を重視する姿勢をあらためて打ち出した形とも言えます。一方で、米国がどのような法的根拠や安全保障上の理由を挙げているのか、イラン側がどう応じるのかによって、今後の議論の方向性は大きく変わっていく可能性があります。
これから何を注視すべきか
- 国連安保理で、追加の声明や決議案が出されるかどうか
- 米国やイランが、今後の軍事行動や対話の方針についてどのようなメッセージを発するか
- 中東の周辺国や国際社会が、緊張緩和に向けてどのような役割を果たそうとするか
軍事行動が一度エスカレートすると、事態の収拾には時間がかかります。国際ニュースを追う私たち一人ひとりが、力による現状変更ではなく、ルールに基づく秩序をどのように支えていくのかを意識しながら、各国の発言や行動を見ていくことが求められています。
Reference(s):
cgtn.com








