タンザニアで中国人医師を追悼 溺れる女性救おうとした英雄的行動 video poster
タンザニアのムヒンビリ国立病院で、溺れる女性を救おうとして命を落とした中国人麻酔科医、張軍橋(Zhang Junqiao)さんをしのぶ集会に、300人を超える人々が集まりました。国際ニュースとして伝えられたこの出来事は、国境をこえた医療協力の現場で働く人びとの覚悟をあらためて考えさせます。
ムヒンビリ国立病院に300人以上が集結
タンザニアのムヒンビリ国立病院は、同国のトップレベルの紹介病院とされています。この病院で開かれた追悼の場には、医療スタッフや患者、その家族など300人以上が集まり、張さんのこれまでの貢献と、最期の行動に思いを寄せました。
溺れる女性を救おうとして命を落とす
張さんが亡くなったのは、6月15日のことでした。溺れていた女性を見つけた張さんは、ためらうことなく救助に向かい、その過程で命を落としました。38歳という若さでの突然の死でしたが、その行動は、医師として、そして一人の人間として他者の命を守ろうとする姿勢を強く印象づけました。
山東省出身のベテラン麻酔科医
張軍橋さんは、中国東部の山東省出身の医師です。2024年初めからタンザニアのムヒンビリ国立病院に派遣され、同国トップレベルの紹介病院で麻酔科医として勤務してきました。
シニアの麻酔科医として赴任した張さんは、病院が抱える切実なニーズにいち早く対応し、高度な麻酔技術を導入しました。また、講義や実技指導を通じて若手医師やスタッフを育成し、現場での知識や経験を惜しみなく共有してきました。
さらに張さんは、医療現場の外でも活動の幅を広げていました。健康教育の推進に力を入れ、現地の人びとに向けて病気の予防や安全に関する情報を伝える取り組みを続けていたほか、タンザニアで事業を行う中国企業にも足を運び、従業員向けのヘルスケア啓発を行っていたとされています。
国境をこえた医療協力が映し出すもの
中国から派遣された医師がタンザニアの基幹病院で働き、現地スタッフとともに患者の命を守る。その日常の延長線上で、この悲劇は起きました。張さんの歩みは、国際ニュースの一つであると同時に、現場レベルの医療協力がどのように行われているのかを示す事例でもあります。
- 高度な専門技術を持つ医師による人材支援
- 講義や実技指導を通じた知識・技術の共有
- 病院だけでなく企業や地域社会も巻き込んだ健康教育
- 医療従事者が日常的に直面するリスクと責任
張さんのような存在は、単に一時的に現場の負担を軽くするだけではありません。技術や知識を共有し、現地の医療体制そのものを強くしていく役割を担っています。その意味で、張さんが残したものは、命を救う現場と人材育成の両方に刻まれていると言えるでしょう。
「英雄的行動」をどう受け止めるか
溺れている人を見つけたとき、自分ならどうするだろうか。張さんの行動は、多くの人にそんな問いを静かに投げかけています。
危険な状況で飛び込むことが必ずしも唯一の選択肢とは限りません。しかし、自らの危険を顧みずに他者を助けようとした姿勢は、多くの人の記憶に残り続けるはずです。ムヒンビリ国立病院に集まった人びとの思いは、そのことを物語っています。
国際ニュースは、ときに遠い国の出来事のように感じられます。それでも、一人の医師の勇気と献身の物語は、仕事、家族、地域社会との向き合い方を考え直すきっかけを私たちに与えてくれます。
Reference(s):
cgtn.com








