紛争地帯を越えて:イラン人夫婦が中国・南アジア博にたどり着くまで video poster
6日間で紛争地帯と国境を越え、ようやくたどり着いたのは、中国南西部・昆明(クンミン)の展示ブースでした。 イラン出身の夫妻、Hamed Hassannejad さんと妻の Nastaran Rajabzadeh Samani さんにとって、中国・南アジア博覧会(China-South Asia Expo)への参加は、単なる出張ではなく「大きな冒険」だったといいます。
2人は国際放送局CGTNの取材に対し、紛争地帯を通り、いくつもの国境を越えながら昆明を目指した道のりと、その途中で直面した困難、そしてそれでもなお抱き続ける未来への希望を語りました。
6日間の移動、3日遅れの到着
今回の旅は、イランを出発してから昆明の会場に着くまで、実に6日間に及びました。その道中には「紛争地帯」とされる地域も含まれ、情勢の不安定さから、いつ足止めを受けてもおかしくない緊張した移動だったといいます。
複数の国境を越える必要もあり、さまざまな事情が重なった結果、中国・南アジア博覧会の開幕から3日遅れての到着になってしまいました。それでも2人は、ようやくたどり着いた展示ブースに立ち、残された時間に賭けることを選びました。
それでも「実りある結果」を信じて
3日遅れの到着は、出会いの機会を逃すことにもつながりかねません。それでも Hamed さんと Nastaran さんは、今回の参加が「実りあるものになる」ことを今も信じています。限られた時間のなかでも、来場者と対話し、将来につながる関係を築きたいと考えているからです。
国境をいくつも越え、紛争地帯を通り抜けてまで「会場に立つこと」にこだわった2人の行動は、国際ニュースの見出しだけでは見えにくい、個人の覚悟と希望を浮かび上がらせます。
中国・南アジア博覧会が映すもの
今回2人が目指した中国・南アジア博覧会は、中国南西部の都市・昆明で開かれる国際的な展示会です。名称が示す通り、中国と南アジアの関係者が一堂に会し、さまざまな分野の取り組みを紹介する場として位置づけられています。
イランから遠く離れた昆明の一角に設けられたブースは、地図上では一本の線で結べるかもしれません。しかし、Hamed さんと Nastaran さんの6日間の旅路をたどると、その線の裏側にある不安や葛藤、そして期待の大きさが見えてきます。
2025年の世界と重なる物語
2025年の今も、世界各地では紛争や緊張が続き、国境を越えること自体が簡単ではない地域が少なくありません。そのなかで2人があえてリスクを取り、時間をかけてまで昆明の博覧会に向かった背景には、「直接会って話すことで、新しい未来を開きたい」という思いがあるようにも見えます。
オンライン会議や電子商取引が当たり前になった今でも、実際に現地に立ち、人と目を合わせて話すことを選ぶ人たちがいます。Hamed さん夫妻の旅は、そのことを改めて思い出させてくれます。
「遠いニュース」を自分ごとにするために
イランから昆明までの6日間の移動、紛争地帯と国境を越える不安、会期に3日遅れながらもなおブースに立つ決意――。こうした具体的な物語は、地図や統計だけでは見えない「国際ニュースの顔」を与えてくれます。
ニュースを日々追いかける私たちにとっても、どこか遠い場所の出来事として流してしまいがちな地域や紛争があります。それでも、その向こう側には、Hamed さんや Nastaran さんのように「少しでも良い未来につながる出会い」を信じて動く人たちがいる。その視点を持つことが、2025年の不安定な世界を理解するうえでの、小さな手がかりになるのかもしれません。
昆明の展示ブースに立つイラン人夫婦の姿は、国や地域を越えてつながることの難しさと、それでもつながろうとする意思の強さを象徴しているように見えます。彼らの挑戦が、どのような「実り」となって結実するのか。会期を終えたあとも、静かに注目していきたいストーリーです。
Reference(s):
cgtn.com








