中国の国連大使「イラン核危機の真の火付け役は米国」安保理で発言 video poster
イラン核問題をめぐる国際ニュースで新たな緊張が生まれています。2025年6月24日に開かれた国連安全保障理事会(国連安保理)の会合で、中国の国連常駐代表であるFu Cong大使が、イランの核施設への最近の攻撃をめぐり米国とイスラエルを厳しく批判し、米国こそが「イラン核危機の真の火付け役」だと主張したのです。
国連安保理で何が語られたのか
国連安保理の会合で、Fu Cong大使は、イスラエルと米国によるイランの核施設への最近の攻撃を非難しました。さらに、こうした軍事行動は、すでに緊張が高まっているイラン核問題を一段と悪化させるものだと指摘しました。
そして大使は、イラン核危機の責任は単に当事国のイランにあるのではなく、米国に大きな原因があると強調しました。米国こそが「真の火付け役」だという強い表現は、安保理の場でも注目を集めました。
米国を「真の火付け役」と呼んだ理由
Fu Cong大使が米国を名指しで批判した背景には、主に3つのポイントがあるとされています。
- 2015年のイラン核合意(包括的共同作業計画、JCPOA)からの米国の離脱
- イランの経済的利益を奪ったとされる「最大限の圧力」制裁
- イラン側が始めた交渉を頓挫させた一方的な軍事行動
大使は、これらの一連の動きこそが、現在のイラン核危機を作り出した根本原因だと主張しました。
2015年イラン核合意からの離脱
発言の中でFu Cong大使は、米国が2015年のイラン核合意から離脱したことを改めて指摘しました。この合意は、公式には包括的共同作業計画(Joint Comprehensive Plan of Action、JCPOA)と呼ばれます。
大使によれば、この離脱によって、イラン核問題を平和的に管理しようとする国際的な枠組みが損なわれ、現在の危機の出発点になったとみることができます。
「最大限の圧力」制裁と一方的な軍事行動
さらにFu Cong大使は、米国による「最大限の圧力」政策、つまりイランに対する厳しい経済制裁が、イランが核合意から得られるはずだった経済的な利益を奪ったと批判しました。
加えて大使は、米国が一方的な軍事行動に踏み切ったことで、イラン側が立ち上げていた交渉の流れが妨げられたと述べました。制裁と軍事行動が重なったことで、信頼構築の余地が狭まり、外交的な解決が遠のいたと見る立場です。
中国のメッセージはどこにあるのか
今回の発言は、イラン核問題の責任の所在をめぐる議論に、中国がはっきりとした立場を示したものだといえます。中国側は、制裁と一方的な行動よりも、合意と対話の枠組みを重視すべきだというメッセージを強めているように見えます。
また、中国の国連大使が安保理の場で米国とイスラエルを同時に名指しで批判したことは、中東情勢と大国間関係が複雑に絡み合っている現状を象徴する場面ともいえます。
イラン核危機は日本にとっても「遠い話」ではない
イラン核問題や中東の緊張は、日本を含むアジアの人々にとっても無関係ではありません。中東情勢の不安定化は、エネルギー価格や海上輸送の安全保障にも影響しうるからです。
今回の国連安保理でのやり取りは、どの国が「悪い」のかを決めつけるためというより、制裁と軍事行動に頼るのか、それとも合意と対話に戻るのかという、国際社会全体の選択を問いかけています。
読み手への問いかけ
イラン核危機をめぐる議論は、私たちに次のような問いを投げかけています。
- 安全保障の名のもとに行われる制裁や軍事行動は、どこまで正当化できるのか
- 国際合意からの離脱が、どのような長期的コストを生むのか
- 大国同士の対立が続く中で、国連安保理はどんな役割を果たせるのか
ニュースをただ消費するのではなく、こうした問いを自分なりに考えてみることが、「読みやすいのに考えさせられる」国際ニュースとの付き合い方につながっていきます。
Reference(s):
cgtn.com








