イラン国営放送本部空爆を非難 イスラエル提訴と報道の自由 video poster
2025年6月にテヘランで起きたイラン国営放送本部の空爆をめぐり、イラン国営放送(IRIB)がイスラエルを強く非難し、報道の自由の侵害として提訴に踏み切る構えを示しました。本記事では、この国際ニュースのポイントと背景を、日本語ニュースとして分かりやすく整理します。
テヘランのIRIB本部を直撃した空爆
2025年6月16日、イランの首都テヘランにあるイラン国営放送(IRIB)の本部ビルが、ライブ放送の最中にイスラエルによる空爆を受けました。IRIB本部の建物はこの空爆で深刻な損傷を受けたとされ、放送機能にも大きな影響が出たとみられます。
放送中のスタジオを抱える本部施設が直接的な攻撃対象となった形で、メディア機関の安全確保という点でも重い出来事となりました。
IRIB総裁ジェベリ氏が非難 報道の自由と言論の自由の侵害と主張
その約1週間後にあたる2025年6月25日、イラン国営放送(IRIB)の総裁ペイマン・ジェベリ氏は、今回の空爆についてイスラエルを名指しで非難しました。
ジェベリ氏は、IRIB本部への攻撃は報道の自由と言論の自由を侵害する行為だと位置づけ、イスラエルに対して法的措置を取る方針を表明しました。具体的には、報道機関の活動を力で封じようとするものだと批判し、イスラエルを提訴する意向を明らかにしています。
この発言により、今回の空爆は単なる軍事行動としてだけでなく、メディアへの攻撃として国際的な議論の対象になりつつあります。
報道機関への攻撃と国際社会の懸念
報道機関は、紛争や緊張が続く地域においても、現地で何が起きているのかを外部に伝える役割を担っています。そのため、メディア施設やジャーナリストが攻撃の対象となることは、国際的にも強い懸念を呼びやすい問題です。
多くの国では、報道の自由や言論の自由が憲法や法律で保障されており、国際的な人権の枠組みの中でも重要な価値とされています。一方で、紛争当事者が相手のメディア施設を軍事的な拠点や宣伝の拠点とみなす場面もあり、この点をどう評価するかについては議論が分かれます。
今回、イラン側がIRIB本部への攻撃を「報道の自由の侵害」として法廷の場に持ち込もうとしていることは、メディア施設がどこまで保護されるべきかという論点を改めて前面に押し出す動きと言えます。
提訴方針で焦点となるポイント
ジェベリ氏は、イスラエルの空爆がメディアの活動と視聴者・市民の知る権利を妨げたと主張し、その責任を問う姿勢を強めています。現時点で、どの裁判所や機関に対して訴えを起こすのかなどの詳細は示されていませんが、今後の動きは次のような点で注目されます。
- どの法的な場(国内か国際か)で争われるのか
- IRIB本部がどのような性格の施設と位置づけられるのか(純粋な報道機関か、それ以上の役割を持つのか)
- 報道機関への攻撃を、どの程度まで表現の自由や報道の自由の侵害と認定するのか
軍事行動と報道の自由は、しばしば緊張関係に置かれます。安全保障上の判断と、人々の知る権利をどう両立させるかという問題は、今回のケースでも避けて通れないテーマになります。
2025年を振り返る視点:情報との付き合い方を問う出来事
現在は2025年12月で、IRIB本部空爆からおよそ半年が経過しました。それでもなお、この出来事は国際ニュースを追ううえで重要な意味を持ち続けています。
イラン国営放送本部の空爆と、それに対するイスラエル提訴の方針は、次のような問いを私たちに投げかけています。
- 紛争地域で情報を得るために、社会はどこまでメディアにリスクを負わせてよいのか
- 軍事行動と報道機関の存在がぶつかるとき、どのような基準で線引きを行うべきか
- 視聴者・読者として、私たちは情報源をどう選び、どのように批判的に読み解くべきか
日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、この出来事は単なる遠くの国のニュースではなく、情報との付き合い方や報道の自由の意味を考え直すきっかけになり得ます。
押さえておきたいポイントまとめ
- 2025年6月16日、テヘランのイラン国営放送(IRIB)本部がライブ放送中にイスラエルの空爆を受け、深刻な被害を受けました。
- 6月25日、IRIB総裁ペイマン・ジェベリ氏がイスラエルを強く非難し、報道の自由・言論の自由の侵害として提訴する方針を表明しました。
- メディア施設への攻撃は、情報を伝える主体そのものを標的にする行為として、国際的にも大きな議論を呼ぶテーマです。
- 今回の事例は、紛争下における軍事行動と報道の自由、人々の知る権利のバランスをどう考えるかという点で、2025年を象徴する出来事の一つとなっています。
Reference(s):
Iran's state broadcaster condemns Israel for attack on headquarters
cgtn.com








