洪水被災地の中国・貴州省で広がる「台所の支援」 家庭菜園が命綱に video poster
中国南西部・貴州省榕江県で起きた洪水のあと、住民たちが家庭菜園と自宅の台所を開き、被災者を支える「食の支援」が広がっています。シンプルな手作りの食事が、栄養だけでなくコミュニティのつながりや心の支えを生み出しています。
洪水被災地で始まった「台所からの支援」
2025年、洪水被害を受けた貴州省榕江県では、行政による支援と並行して、地域の人びとによる草の根の取り組みが広がっています。その中心にあるのが、自宅の台所と家庭菜園です。
被災を免れた住民の多くは、自分たちの畑で採れた野菜を持ち寄り、自宅のキッチンや近所の家を臨時の炊き出し拠点として開放しています。そこから届けられる温かい料理は、避難生活を送る人びとの重要な「ライフライン」となっています。
家庭菜園がライフラインに
この地域ではもともと、野菜や香草を自宅の庭や畑で育てる家庭菜園が日常に根づいていました。洪水で物流や店舗が一時的に止まるなか、こうした家庭菜園が食料供給の「最後の砦」として機能しました。
- 畑で採れた野菜をそのまま鍋に入れて大量のスープや炒め物にする
- 保存のきく根菜や干し野菜を活用し、日持ちするおかずを作る
- 余った分は近所や避難所に運び、誰でも無料で食べられるようにする
派手さはありませんが、こうした家庭菜園と台所の組み合わせが、被災地における柔軟で頼れるインフラとして立ち上がっています。
食卓がもたらす「安心」と「対話」
温かい食事が届けるものは、カロリーや栄養だけではありません。同じテーブルを囲んで一杯のスープや一皿の野菜料理を分け合う時間は、人びとに日常の感覚と安心感を取り戻させます。
被災した住民にとって、誰かの家の台所から届く料理は、「自分は一人ではない」というメッセージそのものです。料理を作る側にとっても、「大きなお金や特別なスキルがなくても、今すぐできる支援がある」と実感できる場になっています。
日本の私たちへのヒント
中国・貴州省の榕江県で起きているこの取り組みは、日本の災害対策や地域づくりにも示唆を与えます。大規模な設備や制度だけでなく、日常の延長にある「小さな力」をどう生かすかが問われています。
例えば次のような視点は、日本でもすぐに応用できるかもしれません。
- 平時から家庭菜園や共同菜園を育て、非常時の食の備えにする
- 近所同士で「台所を開く」ネットワークをゆるやかに作っておく
- 支援を受ける側・する側に分けず、誰もが役割を持てる仕組みを考える
洪水被災地で生まれた「庭から台所へ」というシンプルな流れは、災害の多い時代を生きる私たちに、連帯と支え合いの新しいかたちを静かに問いかけています。
Reference(s):
From garden to kitchen, community brings warmth to disaster zone
cgtn.com








