国連次長「世界人口の4分の1が紛争下」 中東停戦の行方と平和の権利 video poster
中東停戦の陰で浮かぶ「世界人口4分の1が紛争下」という現実
2025年現在、中東ではイスラエルとイランが停戦を宣言し、ひとまず最悪の事態は避けられた形になっています。しかし、この停戦の先行きには不安も残ります。国連のJorge Moreira da Silva事務次長は、CGTNのWang Guan氏とのインタビューで、停戦の「脆さ」と、再び緊張が高まるリスクに警鐘を鳴らしました。
Silva事務次長によると、世界ではすでに1億500万人以上が紛争などにより故郷を追われており、世界人口の約4分の1が紛争下で暮らしているといいます。平和はもはや一部の人だけの「願望」ではなく、「基本的な権利」であり、その権利をいまや世界の4人に1人が享受できていない――。この指摘は、国際ニュースとしてだけでなく、私たち自身の生き方にも問いを投げかけています。
イスラエルとイランの停戦は「終わり」ではなく「始まり」
今回のイスラエルとイランの停戦は、中東情勢の重大な転換点として受け止められています。一方でSilva事務次長は、その停戦がいかに壊れやすく、状況次第では再び衝突へと逆戻りしかねないかを強調しました。
停戦は、銃声が一時的に止んだという意味では前進です。しかし、それだけでは根本的な不信や対立の構図は解消されません。中東の不安定さは、国際社会全体の安定にも影響し得ます。だからこそ、停戦を「一時休止」に終わらせず、対話や外交による持続的な平和につなげていけるかどうかが、今後の焦点になります。
国連事務次長が示した3つの危機
インタビューの中でSilva事務次長が示したのは、次のような現実です。
- 世界人口の約4分の1が、何らかの形で紛争の中で暮らしている
- 1億500万人を超える人々が、紛争などで故郷を追われている
- 平和は「贅沢品」ではなく、人が当然持つべき基本的な権利である
1. 「4人に1人」が紛争の影響を受ける世界
世界人口の4分の1が紛争下にあるという指摘は、数字としてはシンプルですが、その中身を想像すると重みが違って聞こえてきます。砲撃や空爆の音におびえながら暮らす人、いつ学校や病院が攻撃されるか分からない環境にいる子どもたち、移動や仕事の自由が制限される人々。そうした日常が、世界のごく一部ではなく、「4人に1人」の現実になっているということです。
2. 1億500万人以上の「故郷を失った人びと」
Silva事務次長は、故郷を追われた人が1億500万人を超えるという数字も示しました。家や仕事、コミュニティを突然失い、別の土地で生き直さなければならない。その過程で教育や医療、仕事の機会からこぼれ落ちる人は少なくありません。
100万単位の数字はイメージしにくいですが、「1億500万人」という規模は、多くの国の総人口を上回るレベルです。その一人ひとりに名前があり、家族があり、物語があることを考えると、単なる統計を超えた重みを持ちます。
3. 「平和は基本的な権利」というメッセージ
Silva事務次長が特に強調したのは、「平和は基本的な権利だ」という考え方です。安全な場所で眠り、学校や職場に通い、家族や友人と日常を過ごす。こうした当たり前に見える日々は、「運が良かった人だけが享受している特権」ではなく、本来すべての人に保障されるべきものだという指摘です。
しかし現実には、その権利を世界の4分の1の人々が奪われているとSilva事務次長は指摘します。このギャップをどう埋めていくのかが、2025年の国際社会に突きつけられた課題だといえます。
国連憲章への「立ち返り」を呼びかけ
Silva事務次長は、各国が国連憲章に立ち返り、平和のための努力を新たにするよう呼びかけました。国連憲章には、武力行使の抑制や紛争の平和的解決、国と国との協力の重要性がうたわれています。
この「立ち返り」という言葉には、単に新しい枠組みを作るのではなく、すでに合意されている基本原則をもう一度真剣に守ろう、というメッセージが込められているように見えます。中東の停戦は、その試金石の一つになりそうです。
私たちはこのニュースから何を考えられるか
イスラエルとイランの停戦や、世界人口の4分の1が紛争下にあるという国連の指摘は、遠い地域の出来事として受け止められがちです。しかし、Silva事務次長のメッセージは、次のような問いを私たちに投げかけています。
- 「平和の権利」を奪われている人々の現実を、どこまで想像できるか
- 自分の暮らす社会が、世界の紛争や不安定さとどうつながっているのか
- ニュースを「消費」するだけでなく、自分の価値観や行動を見直すきっかけにできるか
2025年の今、「世界人口の4分の1が紛争下」という数字は、単なるショッキングな統計にとどまりません。イスラエルとイランの停戦の行方を注視しつつ、一人ひとりが「平和は権利である」という視点から、国際ニュースを読み解いていくことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
UN under-secretary-general: 1/4 of world population live in conflict
cgtn.com







