中国・貴州の村サッカーリーグ「Cun Chao」を襲った洪水と連帯 video poster
中国・貴州省の人気村サッカーリーグの開催地であるRongjiang県で、ホームスタジアムが突然の洪水に見舞われました。ピッチが水没する中、選手やチア、そして解説者たちが自ら復旧作業に立ち上がっています。
村サッカーリーグ「Cun Chao」の拠点を襲った洪水
報道によると、貴州省Rongjiang県は、村サッカーリーグ「Cun Chao」の強固な拠点として知られてきました。その地域を現地時間の火曜日、前例のない規模の洪水が襲いました。
午前8時までに、象徴的な存在だったサッカースタジアムは、わずか10分ほどの間に完全に水没したとされています。観客席もピッチも区別がつかないほど水に沈み、地域の象徴的な風景が一変しました。
10分で水没、その後に残った最大60センチの泥
木曜日までに水位が下がり始めると、スタジアムの姿は再び現れましたが、その光景は元の「聖地」とはほど遠いものでした。ピッチ一面には分厚い泥が堆積し、場所によっては深さ60センチに達していたとされています。
芝生だったはずの場所は、重機やスコップが必要な泥の層に覆われました。ボールが転がるはずのピッチが、長靴でも歩きにくい泥のフィールドへと姿を変えてしまった形です。
キャプテン、チア、解説者までがスコップを握る
こうした状況のなかで、注目されたのが「誰が現場にいたのか」です。サッカーチームのキャプテンだけでなく、ふだんは試合を盛り上げるチアリーダー、さらにマイクを握るはずの解説者までが、救助と片付けの作業に加わりました。
彼らは泥をかき出し、スタジアム内の片付けを手伝い、使えるものと廃棄せざるを得ないものを仕分けるなど、地域の人びとと肩を並べて作業を進めたとされています。ユニフォームや衣装の代わりに長靴と作業着を身につけた姿は、スポーツと地域社会のつながりを象徴するものと言えるでしょう。
スポーツが地域にもたらすつながり
今回の洪水被害は、「Cun Chao」のスタジアムという、地域にとっての象徴的な場所を直撃しました。しかし同時に、スポーツが単なる娯楽以上の存在であることも浮き彫りにしています。
- 選手やチア、解説者が観客席からではなく、住民と同じ「現場」に立ったこと
- スタジアムが、試合を観る場所から「復旧のために人が集まる場所」へと一時的に役割を変えたこと
こうした出来事は、スポーツクラブやリーグが、地域の日常と非常時の両方に関わる「コミュニティのハブ(拠点)」になりうることを示しています。
日本の私たちにとっての問いかけ
このニュースは、中国・貴州省の一地方の出来事でありながら、日本に暮らす私たちにもいくつかの問いを投げかけます。
- 地域のスタジアムや体育館など、日常的なスポーツの場を、災害時にどう活かせるのか
- クラブチームやサークル、ファンコミュニティが、非常時にどのような役割を果たせるのか
- 「応援する側」と「プレーする側」という垣根を越えたつながりを、平時からどう育てていけるのか
村サッカーリーグ「Cun Chao」のホームスタジアムが再びボールを迎え入れるまでには、まだ時間と労力が必要になりそうです。ただ、今回の洪水に立ち向かった人びとの姿は、スポーツと地域の関係を考えるうえで、しばらく記憶に残る出来事になるかもしれません。
Reference(s):
Flood hits Guizhou's Cun Chao: Team and cheerleaders rush to aid
cgtn.com








