国際ニュース:中国南西部・貴州省で洪水 大規模避難と災害救助 video poster
2025年6月末、中国南西部の貴州省榕江県(Rongjiang County)で洪水が発生し、約4万人超が避難しました。中国の地方当局と中央政府がどのように災害救助と復旧支援に動いたのかを、日本語で分かりやすく整理します。
- 6月24日ごろから続く豪雨で、榕江県に深刻な洪水が発生
- 6月28日、洪水対応の緊急レベルが中国で最も高い「レベルI」に引き上げ
- 同日午後6時までに、1万1,992世帯・4万1,574人が緊急避難・移転
- 中央予算からの支援は合計2億元(約2億人民元)に拡大し、緊急対応と復旧を支援
中国南西部・貴州省榕江県で何が起きたのか
国際ニュースとしても注目された今回の洪水は、2025年6月24日以降の持続的な豪雨がきっかけでした。中国南西部の貴州省榕江県では、激しい雨が続いたことで河川や道路の水位が上がり、深刻な洪水が発生しました。
洪水が「再び」襲った榕江県
現地では、洪水が再び発生する形となり、住民の安全確保が最優先課題となりました。6月28日、豪雨と洪水の影響が強まる中で、榕江県はあらためて最高レベルの緊急対応を発動し、被害拡大の抑え込みに動きました。
緊急対応レベルを「レベルII」から「レベルI」へ
榕江県の防災を担う「防汛抗旱指揮部(洪水・干ばつ対策本部)」は、6月28日に洪水対応の緊急レベルを「レベルII」から「レベルI」へと引き上げました。「レベルI」は、中国の四段階の気象・防災警報の中で最も高いレベルにあたります。
この引き上げは、
- 被害がすでに大きくなっている、あるいは
- さらなる深刻な被害が差し迫っている
と判断された状況で行われるものであり、現地の危機感の強さがうかがえます。
約4万1,500人が緊急避難 現地で進んだ人命最優先の対応
中国ニュースとして注目されたのが、短時間で行われた大規模な住民避難です。6月28日午後6時までに、榕江県では住民の避難と移転が急ピッチで進められました。
具体的には、
- 1万1,992世帯
- 4万1,574人
が、危険地域からより安全な場所へと緊急避難・移転しました。地方当局は、浸水や土砂災害などのリスクが高いエリアの住民を優先して移動させ、人命を守るための措置を集中的に進めました。
中央予算からの支援 合計2億元を貴州省に配分
こうした地方レベルの取り組みを支えるため、中国中央政府も財政支援を拡大しました。国家発展改革委員会によると、洪水被害を受けた貴州省に対して、中央予算から新たに1億元(約1,396万ドル)が配分されました。
この追加配分により、貴州省向けの合計支援額は2億元に達しました。予算は主に、
- 緊急の災害対応
- 被災地の復旧作業
などに充てられるとされ、避難所の整備や生活再建、インフラの復旧など、さまざまな現場のニーズを支える財源となります。
中国の防災体制から読み取れるポイント
今回の洪水対応は、中国南西部で起きた一地方の出来事でありながら、国際ニュースとしてもいくつか重要な示唆を与えています。
多層的なガバナンス:地方と中央の役割分担
榕江県では、まず地方当局が現場の判断で緊急対応レベルを引き上げ、大規模な避難を実施しました。一方で、中央レベルでは国家発展改革委員会が財政面の支援を速やかに拡充し、合計2億元という規模の予算を被災省に配分しました。
このように、
- 現場をよく知る地方当局が「人命救助と避難」を優先的に担当し、
- 中央政府が「資金や制度面での後方支援」を行う
という役割分担が見て取れます。大規模災害では、この両輪がかみ合うかどうかが、その後の復旧スピードや被害の最小化に大きく影響します。
数字から見える「スケール」と「スピード」
今回の洪水では、4万1,574人という多くの人が短期間で避難しました。この規模の移動を短時間で実行するには、
- 事前のハザードマップや避難計画
- 住民への情報伝達ルート
- 避難先となる施設や受け入れ体制
などが一定程度整備されている必要があります。詳細な運用は公表されていませんが、数字だけを見ても、早い段階から「人を動かす」判断がなされていたことは読み取れます。
日本の読者が考えたい視点
日本もまた、豪雨や洪水、土砂災害のリスクが高い国です。中国南西部・貴州省での洪水対応を国際ニュースとして見るとき、日本の私たちが考えられるポイントも見えてきます。
「最高レベル警報」をどう生かすか
榕江県は、洪水の危険が高まる中で、緊急対応レベルを一段引き上げ、最も厳しい「レベルI」を発動しました。最高レベルの警報や緊急対応は、
- 避難の判断を後押しする「強いメッセージ」
- 行政や関係機関のリソースを一気に動員するスイッチ
という役割を持ちます。日本でも、警戒レベルや避難情報を「どう伝えるか」「どう理解するか」はたびたび議論になりますが、今回の事例は、その実効性を改めて考える材料になりそうです。
災害後の「復旧フェーズ」をどう支えるか
洪水や豪雨災害では、発災直後の人命救助と同じくらい、その後の復旧・生活再建フェーズが重要です。貴州省には中央予算から合計2億元が配分され、緊急対応と復旧支援に充てられるとされています。
日本の読者にとっては、
- 災害直後だけでなく、中長期の復旧・再建をどう支えるか
- 地方と中央、自治体と国がどのように役割分担をするのが望ましいか
といった点を考えるきっかけにもなるでしょう。
おわりに:ニュースを「自分ごと」として読む
今回の榕江県の洪水は、
- 最高レベルの緊急対応の発動
- 4万人超におよぶ大規模避難
- 中央予算からの2億元という財政支援
など、スケールの大きさが目を引く国際ニュースでした。同時に、災害大国である日本に暮らす私たちにとっても、他国の災害対応から学べる点は少なくありません。
日々のニュースをただ「遠い国の出来事」として眺めるのではなく、「自分の地域で同じことが起きたらどうするか」という視点で読むことで、見えてくるものが変わってきます。今回の貴州省榕江県の洪水をきっかけに、身近な防災・減災のあり方を振り返ってみるのも良さそうです。
Reference(s):
Disaster relief efforts underway in flood-hit county in SW China
cgtn.com








