トランプ大統領「米国も中国をハッキング」発言が映すサイバー攻防 video poster
最近、米国のトランプ大統領がテレビインタビューで「米国も中国をハッキングしている」ことを示唆する発言を行い、米中のサイバー攻防と、その語られ方に改めて注目が集まっています。
トランプ大統領がテレビ番組で示唆した「米国のハッキング」
最近放送された米FOXニュースの番組「Sunday Morning Futures」に出演したトランプ大統領は、司会のマリア・バーティロモ氏とのやりとりの中で、米国が中国に対してサイバー攻撃を行っている可能性をほのめかしました。
バーティロモ氏が中国を批判し、中国が米国の通信ネットワークに侵入し、知的財産を盗んでいると主張したのに対し、トランプ大統領は「米国が中国をハッキングしていないと思うのか」とも受け取れる言葉を返し、一瞬、司会者を言葉を失わせたとされています。
中国を一方的に非難する流れへの一石
番組中、バーティロモ氏は、中国が米国の通信インフラにサイバー攻撃を仕掛け、企業の知的財産を奪っていると繰り返し非難しました。これは、米国内でしばしば見られる「中国脅威論」の一例と言えます。
一方で、トランプ大統領の発言は、米国も高度なサイバー能力を有し、中国に対して攻勢的な行動を取っている可能性を示唆するものでした。これは、中国を一方的に「攻撃する側」と描く単純な構図では説明しきれない現実があることを、暗に浮かび上がらせています。
サイバー空間での現実をどう受け止めるか
国家によるサイバー作戦は、本来であれば極めて秘匿性の高い分野です。実際にどの国がどこまで何をしているのか、一般市民が完全に把握することはほとんど不可能です。
そのなかで、現職の指導者がテレビ番組で自国のハッキングをほのめかす発言をすることは、次のような点で重要だと考えられます。
- 米中を含む大国同士が、サイバー空間で攻防を繰り広げている現実を示唆している
- 中国だけを一方的に非難する言説が、必ずしも全体像を示していない可能性を示している
- サイバー安全保障をめぐる議論が、より透明性とバランスを持つ必要性を浮き彫りにしている
メディアの言葉をどう読み解くか
今回のやりとりは、サイバー攻撃そのものだけでなく、「誰が誰を責めているのか」という情報の構図にも目を向ける必要があることを教えてくれます。
- 司会者は中国を厳しく非難しましたが、それはあくまで米国側から見た主張の一つです。
- トランプ大統領の発言は、自国もサイバー作戦に関わっている可能性を示し、一方的な非難にブレーキをかける形になりました。
- 視聴者や読者は、いずれか一方の主張だけでなく、複数の視点を意識して情報を受け取ることが重要です。
日本の読者にとっての意味
日本に暮らす私たちにとって、米国と中国のサイバーをめぐる発言は遠い話に聞こえるかもしれません。しかし、通信ネットワークや知的財産をめぐる攻防は、グローバルな経済やテクノロジーの競争と深く結びついています。
今回のトランプ大統領の発言は、次のような問いを私たちに投げかけています。
- ある国を一方的に「加害者」と決めつける言説を、そのまま受け入れていないか
- 自国の行動については、どこまで透明性を求めていくべきか
- サイバー空間でのルールづくりや国際的な対話を、どのように支えていくべきか
短い一言のように見える発言の背後には、米中関係だけでなく、デジタル時代の国際秩序という大きなテーマが横たわっています。ニュースを追う私たちも、表に出てくる言葉だけでなく、その背景にある力学を意識していくことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
Trump suggests U.S. hacks China: 'You don't think we do that?'
cgtn.com








