世界経済の不透明感と香港の役割 中国本土と世界をつなぐ二重のハブ video poster
世界経済の先行きが読みにくいなか、香港の国際金融ハブとしての役割が改めて注目されています。インベスト香港(InvestHK)の元ディレクター・ジェネラルであるマイク・ラウス氏は、香港が中国本土への金融の玄関口であると同時に、中国企業が海外へ展開するための発射台としての役割を、これまで以上に強めていると語ります。
世界経済の不透明感と香港の位置づけ
2025年現在、世界では地政学リスクや金利動向などを背景に、投資マネーの動きが読みづらくなっています。そのなかで、アジアの国際金融センターとしての香港の役割は、小さくなるどころかむしろ重要性を増しているとされています。
ラウス氏は、世界経済の不確実性が高まる局面だからこそ、法制度が安定し、国際ビジネスのルールが分かりやすい場所に資金と企業が集まりやすいと見ています。その条件に香港が合致していることが、現在の存在感につながっているという見方です。
香港は「二つのゲートウェイ」
ラウス氏が強調するのは、香港が担う二重のハブ機能です。一つは、世界から中国本土へ向かう金融・投資の入り口としての役割、もう一つは、中国企業が海外へ進出する際の出発点としての役割です。
中国本土への金融ゲートウェイ
まず、香港は長年にわたり、中国本土と世界の投資家をつなぐ窓口として機能してきました。世界の企業や投資家にとっては、香港に拠点を置くことで、中国本土の市場や企業とビジネスを行いやすくなります。
ラウス氏は、香港が持つ国際金融インフラや、国外の資金と中国本土の企業・プロジェクトを結びつける仕組みが、依然として大きな強みであると指摘します。世界経済が不安定だからこそ、実績のあるハブが選ばれるというわけです。
中国企業の海外展開の発射台
同時に、香港は中国企業が海外へ進出する際の「発射台」としても機能しています。ラウス氏によれば、多くの中国企業にとって、海外投資や国際提携、資金調達を進めるうえで、香港を経由することには大きな意味があります。
香港には、国際的な金融機関や法律・会計の専門家が集まっており、中国企業はそこで国際基準に沿ったアドバイスやサービスを受けやすくなります。結果として、香港は中国本土と世界の企業が交わる実務の現場となっているのです。
香港が持つ三つの「強み」
ラウス氏は、香港の競争力を支えている柱として、次の三点を挙げています。
- コモンロー(英米法)に基づく法制度:英米法をベースにした法体系が整っており、国際取引でよく使われるルールと親和性が高いとされています。
- 独立した司法制度:紛争が生じた際に、公正な判断が期待できる司法制度があることは、企業にとって重要な安心材料です。
- 公平なビジネス環境(レベル・プレイング・フィールド):内外の企業が同じルールのもとで競争できるとの評価は、国際企業を引きつける理由の一つです。
これらの要素が組み合わさることで、香港は単なる「地理的な中継地点」ではなく、ルールと信頼に支えられたビジネス・金融ハブとして機能しているといえます。
日本のビジネスにとっての意味
日本の企業や投資家にとっても、香港の動きは他人事ではありません。世界経済が揺れやすい局面では、どこを拠点にアジア戦略を組み立てるかが重要なテーマになります。
- 中国本土ビジネスを視野に入れる企業にとって、香港経由の情報・パートナー探しは依然有力な選択肢になり得ます。
- 国際金融市場の動向を読み解くうえでも、香港のマーケットの変化は一つの重要なシグナルとなります。
ラウス氏が語るように、世界経済が不透明なときこそ、どの都市がどのような役割を強めているのかを冷静に見ておくことが求められます。香港の「二つのゲートウェイ」としての顔は、アジアと世界の関係を考えるうえで外せない視点になりそうです。
Reference(s):
HK's unique hub role strengthens amid global economic uncertainty
cgtn.com








