中国南西部の高原で600枚の家族写真 1人の党員が届ける笑顔と支援 video poster
中国南西部の高原地帯・ルオルガイの草原で、1人の党員がカメラを手に、遊牧に暮らす人々の「家族の今」を記録しています。遠く離れた高原で進む静かな変化を、国際ニュースとして日本語で見てみます。
高原の草原で広がる「家族写真」の輪
国際メディアCGTNの呉雲柳(Wu Yunliu)記者が伝えるのは、ルオルガイの草原を回りながら家族写真を撮り続ける党員、ファン・フーチー(Fan Heqi)さんの姿です。地元の人々からは親しみを込めて「ファンお兄さん」と呼ばれています。
この地域では、遊牧を営む多くの世帯にとって、きちんとした家族写真を残す機会はこれまでほとんどありませんでした。ファンさんは自ら草原を巡り、家々を訪ねて撮影を続け、この1年で600枚以上の家族写真を撮影してきました。多くの家庭にとって、それが人生で初めての家族写真になっているといいます。
写真が生むのは「記録」だけではない
ファンさんの取り組みは、単にシャッターを切るだけではありません。彼のカメラがもたらしている変化は、少なくとも次の3つに整理できます。
- 思い出を「形」にする文化サービス:家族が並んで撮った1枚は、子どもの成長や家族のつながりを記録する大切な文化的財産になります。写真そのものが、遠く離れた高原地域にも文化サービスを届ける役割を果たしています。
- 喜びと誇りの可視化:撮影の日は、家族みんなが身なりを整え、笑顔でレンズを見つめます。その過程を通じて、日々の暮らしにある喜びが「見える形」になり、家族の誇りや地域の一体感が強まっていきます。
- 支援が必要な家庭を見つけるきっかけ:一軒一軒を訪ね、対話しながら撮影することで、ファンさんは生活に困りごとを抱える家庭にも気づくことができます。その気づきが、きめ細かな支援や、党の思いやりを届ける入り口になっています。
党創立記念日に見つめる「現場からの変化」
この取り組みは、党創立記念日に合わせて紹介されたものでもあります。政策やスローガンだけでなく、現場で人と向き合い、具体的な行動を通じて変化を生み出す人々に、改めて光を当てる試みだといえます。
ファンさんの場合、その手段が「カメラ」でした。家族写真という日常的で身近な行為を通じて、遠く離れた地域にも心の通った支援や文化的なサービスを届けている点に特徴があります。
日本の読者にとっての問いかけ
ルオルガイの草原で起きていることは、私たちにもいくつかの問いを投げかけます。たとえば次のような視点です。
- 自分が持っているスキルや道具(カメラ、言葉、ITなど)を、周囲の人や地域のためにどう生かせるか。
- 遠隔地や少数の人が暮らす地域に、文化やサービスをどのように届けていけるか。
- 大きな制度や政策と、個人の小さな実践をどのようにつなげていけるか。
高原の家族写真プロジェクトは、国際ニュースとしての話題であると同時に、「自分なら何ができるか」を静かに考えさせてくれる出来事でもあります。
「一枚の写真」から広がる物語
過去1年で600枚以上という数字の裏側には、600以上の家族の物語があります。遊牧の暮らし、子どもの笑顔、高原の風景。その一つひとつが、これまで外に伝わる機会の少なかった日常の断片です。
その断片を丁寧にすくい上げ、記録し、必要な支援につなげていく。ファンさんのような存在は、高原の草原と都市部、そして中国と世界を結びつける、小さな架け橋になっていると言えるかもしれません。
家族写真というごく身近なテーマから、遠くの地域社会の姿や、支え合いの形を想像してみること。それが、ニュースを「知る」だけでなく、自分の視点を少し広げるきっかけになるのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








