中国・海南省三沙市のサンゴ礁、オニヒトデ被害から驚きの回復 video poster
中国南部の海南省三沙市で、サンゴ礁が目に見える形で回復していることが最新の調査で分かりました。2022年のオニヒトデ大量発生で大きな打撃を受けた海域ですが、集中的な保全活動によりサンゴ被度が約15%も増え、「色とりどりのソフトコーラルが広がる景観」を取り戻しつつあります。
2022年のオニヒトデ危機とは
三沙市のサンゴ礁は、2022年にサンゴを食べることで知られるオニヒトデの大量発生に見舞われました。放置すればサンゴ礁全体が深刻なダメージを受けかねない状況のなか、現地のチームはオニヒトデの駆除に踏み切りました。
これまでに、地元のチームは5万匹を超えるオニヒトデを海中から取り除いたとされています。この集中的な対策が、サンゴ礁の回復に向けた土台となりました。
最新調査が示す「15%の回復」
2025年現在の最新の調査によると、三沙市周辺のサンゴ礁ではサンゴ被度が約15%増加しました。被度とは、海底のどれだけの面積がサンゴで覆われているかを示す指標で、サンゴ礁の健康状態を測る重要な目安です。
特に注目されているのが、色鮮やかなソフトコーラルが水中景観の主役になりつつあることです。かつてオニヒトデに食べ尽くされかけたエリアでも、再び多様なサンゴが育ち、海中に立体的な構造をつくり出しています。
「ターゲット型」の保全が功を奏す
今回の回復は、闇雲に駆除を行うのではなく、オニヒトデという特定の脅威に狙いを定めた「ターゲット型」の保全策が効果を上げた例だといえます。サンゴに直接被害を与える要因を見極め、集中的に取り除くことで、生態系の自己回復力を引き出した形です。
海洋生物学者は、サンゴ被度の15%増という数字を通じて、この対策の成果を確認しています。数値として改善が示されたことで、同様の問題を抱える他地域のサンゴ礁保全にとっても、三沙市の取り組みが一つの指標、いわばベンチマークとなりつつあります。
世界のサンゴ礁保全へのヒント
今回の三沙市の事例からは、次のようなポイントが見えてきます。
- 脅威となる要因を特定し、優先順位をつけて対策することの重要性
- 数年単位での継続的な取り組みが、目に見える回復につながる可能性
- 科学的な調査データをもとに、保全策の効果を検証しながら進める姿勢
サンゴ礁は、魚類など多くの海洋生物のすみかとなるだけでなく、沿岸地域の暮らしや漁業、観光にも深く関わる生態系です。三沙市の回復例は、危機に直面したサンゴ礁であっても、的確な対策と時間があれば再生の道が開けることを示しています。
悲観だけでなく「何が効くのか」を考える
気候変動や海水温の上昇など、サンゴ礁を取り巻く環境は依然として厳しいままです。それでも今回のようなニュースは、私たちに「打つべき手を打てば、海は応えてくれる」という視点を与えてくれます。
国際ニュースとしてのサンゴ礁保全は、遠い海の物語のように感じられるかもしれませんが、海洋環境や気候変動をめぐる世界の動きを考える上で、私たち自身の選択や行動を見直すヒントにもなります。三沙市のサンゴ礁が見せた回復力は、これからの海と共に生きる社会づくりを考えるうえで、注目しておきたい事例といえるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








