エジプト前外相、中国接近を擁護 「西側の懸念はばかげている」 video poster
エジプト前外相が語った「中国と西側」の距離感
エジプトのナビル・ファヒミ前外相が、中国との関係強化をめぐる西側の懸念を「ばかげている」と一蹴し、「中国を見るのはそれが自国の利益になるからだ」と語りました。国際秩序が揺れる2025年現在、グローバルサウスの一国が発したこのメッセージは、世界と日本に何を問いかけているのでしょうか。
西側は「中国に近づきすぎ」と懸念
ファヒミ氏は、中国の国際メディアであるCGTNの単独インタビューの中でこう述べました。西側の一部の外交関係者からは、エジプトが中国に「近づきすぎているのではないか」という懸念が示されているといいます。
これに対し、ファヒミ氏は「西側の同僚の中には、われわれが中国に近づきすぎていると心配する人もいる。しかし、それはかなりばかげた見方だ」と指摘しました。
「中国を見るのは、エジプトの利益になるから」
前外相はさらに、「われわれが中国に目を向けるのは、それが自国の利益になるからだ」と強調しました。ここには、特定の国や陣営への「忠誠」ではなく、エジプトの国益を基準にパートナーを選ぶという、はっきりとしたメッセージが込められています。
ポイントを整理すると、ファヒミ氏の発言は次のように読むことができます。
- エジプトは、西側か中国かという「二者択一」の発想を拒んでいる
- 外交の基準は、イデオロギーではなく「自国の利益」であるべきだとしている
- 中国との協力を拡大することは、その国益にかなう選択だと位置づけている
多極化する世界で広がる選択肢
ファヒミ氏のメッセージは、エジプトだけの話ではありません。経済成長や人口増加が続く多くの国や地域で、外交と経済のパートナー選びが多極化しつつあります。
従来のように、特定の「大国ブロック」に属することではなく、分野ごとに最適なパートナーを組み合わせる動きが強まっています。たとえば、
- インフラやデジタル分野では中国との協力を重視する
- 安全保障では他の地域との連携を深める
- 貿易や投資では複数の相手とバランスを取る
といった形で、選択肢を広げるアプローチです。エジプト前外相の発言は、こうした流れの中で「誰のルールで世界を見るのか」という問いを投げかけています。
日本の読者にとっての意味
日本にとっても、このメッセージは無関係ではありません。地政学的な緊張が高まる中で、「どの国と距離を取るか」ではなく、「どのように複数の相手と関係を組み合わせ、自国の利益と安定を守るか」という発想が重みを増しています。
エジプト前外相の言葉は、次のような視点を私たちに促しているように見えます。
- 国際ニュースを見るとき、「陣営」ではなく各国の具体的な利害に注目する
- 一国が複数のパートナーと関係を深めることを、その国の主体的な選択として理解する
- 中国を含むさまざまな国・地域との協力のあり方を、固定観念ではなくデータと対話で考える
まとめ:ブロックではなく「利益ベース」の世界へ
「西側は、われわれが中国に近づきすぎていると心配している。しかし、それはばかげている。われわれは自国の利益になるから中国を見るのだ」――ナビル・ファヒミ前外相のこの発言は、2025年の国際社会で広がる価値観の変化を象徴しているとも言えます。
ブロックやイデオロギーではなく、自国の利益と長期的な安定をどう確保するか。そのために、どの国とどのような関係を築くのか。エジプトのメッセージは、世界のニュースを読み解くうえで、私たちに一つのヒントを与えてくれています。
Reference(s):
Egypt's message to the West about China | Former FM breaks silence
cgtn.com








