BRICS 2025とグローバルサウス:多極化する世界秩序のいま video poster
BRICS 2025とグローバルサウス:多極化する世界秩序のいま
リード:拡大するBRICSは、世界人口のほぼ半分を代表する存在として、グローバルサウスの協力と国際秩序の多極化を大きく動かしつつあります。本記事では、2025年現在の議論の焦点と、グローバルサウスがBRICSをどう活かせるのかを整理します。
最近、中国の国際メディアCGTNの番組では、インドネシア、ナイジェリア、エチオピア、中国、ブラジルの専門家やメディア関係者が参加し、BRICS拡大がグローバルサウスの協力をどう変えるのかについて意見を交わしました。
BRICS 2025:拡大する枠組みとグローバルサウス
BRICSは、グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国を中心に、従来の先進国主導の枠組みに対する新しい選択肢として位置づけられています。2025年現在、加盟国の拡大が進むことで、その存在感は一段と増しています。
番組でも紹介されたように、BRICSは世界人口のほぼ半分を代表するとされており、エネルギー、資源、若い人口といった豊富なポテンシャルを抱えています。こうした背景から、より多極的(多くの中心を持つ)で、持続可能な未来を推進する枠組みとして期待が高まっています。
多様な連合体は「一つの声」を出せるか
一方で、重要な問いも残ります。それが「これほど多様な連合体が、一つの声を出せるのか」という点です。BRICSに関わる国々は、経済規模も政治体制も地域的な利益も大きく異なります。
グローバルサウスの立場から見れば、気候変動への対応、インフラ整備、デジタル経済のルールづくりなど、共有できる課題は少なくありません。しかし、個々の国が優先するアジェンダは必ずしも同じではなく、合意形成には時間と調整が必要になります。
そのため、BRICSが「何でも話し合う場」になるよりも、特定のテーマに絞って協力を深めることが、現実的なアプローチだと考えられます。
公正で包摂的な成長のために:グローバルサウスは何を求めるか
番組のもう一つの大きなテーマは、「グローバルサウスは、BRICSをどう活用すれば、公正で包摂的(取り残す人が少ない)な成長を実現できるのか」という点でした。
そのヒントとして考えられるのは、次のような方向性です。
- 資金とルールの多様化:インフラ投資や開発資金の調達先が増えれば、各国は条件を比較しながら、自国に合った選択がしやすくなります。
- 南南協力の強化:グローバルサウス同士が経験や技術を共有することで、自国の現実に根ざした開発モデルを模索しやすくなります。
- 気候と開発の両立:持続可能な未来を掲げる以上、再生可能エネルギーや気候変動への適応策といった分野で、共同プロジェクトを進める余地があります。
こうした取り組みが進めば、BRICSは単なる政治的なシンボルではなく、グローバルサウスにとって実利のある「協力のプラットフォーム」として機能しやすくなります。
インドネシア、ナイジェリア、エチオピア、中国、ブラジルから見える多様な視点
今回のCGTNの議論には、インドネシア、ナイジェリア、エチオピア、中国、ブラジルから専門家やメディア代表が参加しました。この顔ぶれからだけでも、BRICSとグローバルサウスをめぐる議論の広がりが見えてきます。
- インドネシア:東南アジアを代表する経済として、地域のハブとしての役割が期待されています。
- ナイジェリア・エチオピア:人口増加が続くアフリカの主要国として、若い世代の雇用やインフラ整備が大きなテーマです。
- 中国・ブラジル:グローバルサウスの中でも経済規模が大きく、すでに国際社会で一定の影響力を持つ国として、どのように他の国々を支え、ともに成長していくかが問われています。
地域も経済構造も異なるこれらの国々が一つのテーブルにつくこと自体、グローバルサウス内部の対話が進んでいるサインだといえます。
2025年以降の論点:多極化は誰のためのものか
2025年の時点で、BRICS拡大とグローバルサウス協力は、国際ニュースの中でも重要なテーマになっています。しかし、「多極化」そのものが目的化してしまえば、一部の国だけが得をし、格差が広がるリスクもあります。
問われているのは、「多極化は誰のためのものか」という視点です。各国の人びとの生活にとって意味のある協力なのか、気候危機や貧困といった共通の課題の解決に役立っているのか――こうした問いを持ち続けることが、BRICSやグローバルサウスの動きを理解するうえで欠かせません。
今後、BRICSがどのようなルールづくりやプロジェクトを通じて、公正で包摂的な成長を実現していくのか。2025年は、その方向性を見極めるうえで重要な節目の年となりそうです。
日々の国際ニュースの見出しの裏側で、どのような価値観や利害がせめぎ合っているのかを意識して見ることで、BRICSやグローバルサウスの動きがより立体的に見えてきます。
Reference(s):
cgtn.com








