孔子の『友』の哲学とニシャンのおもてなし 2025年に響く友情 video poster
孔子の「友」の哲学は、いまの国際社会やオンライン時代にどんな意味を持つのでしょうか。中国・山東省のニシャン(Nishan)で行われた番組『The Hype』のフォーラム特別企画では、『Delight in friends from afar(遠くから友が訪ねてくる喜び)』という孔子の教えを手がかりに、現代につながる友情とおもてなしのあり方が語られました。
孔子の「遠くから友が訪ねてくる喜び」とは
番組で取り上げられた孔子の教え『Delight in friends from afar』は、遠くから友が訪ねてくることを素直に喜ぶ心を示しています。距離や文化の違いよりも、「出会えたこと」そのものに価値を見いだす視点だと言えます。
この教えには、次のような意味が重なっているように見えます。
- 距離を超えて人と出会うことそのものを喜ぶ姿勢
- 訪れる側・迎える側の双方に必要な思いやり
- 「よそ者」を排除せず、学び合う関係をつくること
単に「仲の良い友だち」を指すだけでなく、遠方からやって来た人との出会いをきっかけに、自分自身の世界を広げていくというメッセージが込められているとも読めます。
ニシャンで体感された「本物のおもてなし」
今回の特別企画でゲストたちは、孔子の生誕地である中国東部・山東省のニシャンを訪れ、この教えについて語り合いました。彼らが印象的だと語ったのは、ニシャンの「本物のおもてなし」です。
ニシャンでは、訪問者があたかも自宅に帰ってきたかのようにくつろげる空気がつくられているといいます。観光客としてではなく、「遠方から来た友」として迎えようとする姿勢が、地域全体に流れているのです。
- 形式ばった儀式よりも、あたたかい言葉やささやかな気づかいを重んじる
- 土地の歴史や文化を押し付けず、自然な形で分かち合う
- 訪れる人の背景や価値観の違いを尊重しようとする
ゲストたちは、こうしたニシャンの雰囲気こそが、孔子の古い教えを現代に生きた形で体現していると振り返っています。伝統と現代のつながりが、さりげないおもてなしを通じて結びついているのです。
2025年の私たちにとっての「遠方の友」
2025年のいま、私たちの「遠方」は必ずしも地図の距離だけを意味しません。オンライン会議やSNSを通じて、世界のどこかにいる人と日常的につながることが当たり前になりました。
そう考えると、「遠くから友が訪ねてくる」とは、次のような場面にも重ねて考えることができます。
- 海外や他地域からやって来た同僚や留学生を、職場や教室に迎えるとき
- SNSやオンラインコミュニティでつながっていた人と、初めて直接会うとき
- 地域のイベントに、初めて参加する人や移り住んできた人が加わるとき
孔子の教えは、「遠くから来た人をどう迎えるか」という問いを、2025年の私たちに改めて投げかけています。距離や違いではなく、「会えたこと」「一緒に時間を過ごせること」を喜べる社会であるかどうかが問われているのかもしれません。
「おかえり」と言える社会へのヒント
ニシャンでゲストたちが感じた、「初めて訪れた場所なのに、どこか懐かしくて落ち着く」という感覚は、私たちの身近な場にも応用できるヒントです。
大げさなことをしなくても、次のような小さな一歩から始められます。
- 初めて会う人に、分かりやすい言葉で場のルールや雰囲気を伝える
- 話しかけるきっかけになるような、簡単な自己紹介や質問を用意しておく
- 帰るときに「また来てくださいね」と自然に声をかける
こうした積み重ねが、「遠くから来た人」を安心させ、「ここに戻ってきたい」と感じてもらえる場をつくります。ニシャンのもてなしは、その具体的なイメージを私たちに与えてくれます。
古代の思想が、国境を越えた交流やオンラインの出会いが日常になった時代にもなお響き続けていることを、今回のニシャンでの対話は静かに示しています。国際ニュースや哲学の言葉を、自分のまわりの人間関係や日常のふるまいに引き寄せて考えてみること。それが、「友」とのつながりをもう一度見つめ直すきっかけになるのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








