英政府の「Palestine Action」テロ指定で抗議デモ、70人超が逮捕 video poster
英国政府が団体「Palestine Action」をテロ組織に指定したことを受け、英国各地で行われた抗議デモで70人以上が逮捕されました。安全保障と表現の自由のバランスを巡る議論が、あらためて浮き彫りになっています。
土曜日の英各地デモで70人以上を逮捕
報道によると、土曜日に英国各地で行われた抗議デモで、70人を超える人びとが警察に逮捕されました。デモは、英国政府が「Palestine Action」をテロ組織に指定した決定に反対する目的で行われたものです。
今回の指定は、最近発生したイギリス空軍(Royal Air Force)の基地への侵入と、施設の一部が損壊したとされる事件を受けて行われたと伝えられています。政府は、この侵入と破壊行為をテロ組織指定の理由のひとつとして挙げています。
現時点で、逮捕された人びとの詳しい内訳や容疑の内容などは限られた形でしか伝わっていませんが、大規模な抗議行動に対し、警察が強めの対応をとったことがうかがえます。
英政府はなぜ「テロ組織」に指定したのか
英国政府は、「Palestine Action」を公式にテロ組織に指定し、その理由として、最近の英国空軍基地での侵入と破壊行為を挙げています。こうした指定は、政府がその団体を安全保障上の重大な脅威とみなしていることを意味します。
一般的に、各国で団体がテロ組織に指定されると、次のような影響が出るとされています。
- 組織への資金提供や支援、加担行為が刑事罰の対象になりやすくなる
- 関係者の資産凍結や口座の監視が強化される
- 集会や活動への参加が、より厳しく取り締まりの対象となる可能性が高まる
今回のケースでも、テロ組織指定によって「Palestine Action」に関わる活動や支援が、従来よりも重く扱われることになり、支持者や同調者に対する法的リスクが高まるとみられます。
抗議デモが映し出すのは何か
英各地での抗議デモは、政府によるテロ組織指定に対し、強い懸念や反発を抱く人びとが少なくないことを示しています。参加者たちは、テロ対策を理由にした取締りが、市民の抗議行動や政治的表現まで抑え込むことにつながるのではないかと危惧しているとみられます。
一方で、政府や治安当局の側には、軍事施設への侵入や破壊行為などを見過ごせば、人命や国家安全保障が脅かされるという問題意識があります。こうした中で、どこまでが正当な抗議で、どこからが許されない違法行為なのか、その線引きは一層難しくなっています。
安全保障と表現の自由のせめぎ合い
今回のイギリスの動きは、多くの国が直面している課題を象徴しています。つまり、
- テロや重大犯罪を防ぐための強い権限
- 市民の表現の自由や抗議する権利
この二つをどう両立させるかという問題です。
テロ組織指定は安全保障の観点から見れば強力なツールですが、その範囲が広がりすぎると、政府に批判的な団体や運動が「テロ」の名のもとに抑え込まれる危険性も指摘されます。今回のデモで70人以上が逮捕されたという事実は、市民の側に「どこまでが許される抗議なのか」という不安を生みかねません。
2025年12月現在、世界各地で安全保障と市民の自由を巡るニュースが相次いでいます。今回の英国でのテロ指定とそれに対する抗議デモも、その流れの一つとして位置づけられそうです。
日本の読者への問いかけ
日本に暮らす私たちにとっても、このニュースは決して遠い話ではありません。テロ対策や安全保障の議論が進むとき、同時に市民の権利をどう守るのかという問いは必ずついて回ります。
今回の英政府の決定とそれに対する抗議デモから、次のようなポイントを考えてみることができます。
- テロ対策の強化と、市民の抗議行動の自由をどう両立させるべきか
- 「テロ組織」というラベルが社会にもたらす影響を、どのようにチェックできるか
- 大規模デモが起きたとき、警察の対応にどのような透明性と説明責任が求められるか
国や制度が違っても、民主社会に共通する問いは多くあります。今回のイギリスの動きをきっかけに、日本の中での安全保障と自由のバランスについても、身近なところから話題にしてみる価値がありそうです。
今後、英国での捜査や議会での議論がどのように進むのか、そして「Palestine Action」をめぐる社会の受け止め方がどう変化していくのかが注目されます。
Reference(s):
Over 70 arrested at UK protests in support of banned group PA
cgtn.com








