世界で約3億人がホームレス 国連機関トップが語る住宅危機【国際ニュース】 video poster
世界で約3億人がホームレス、28億人が不十分な住宅に暮らしている――国連人間居住計画(UN-Habitat)のアナクラウジア・ロスバッハ事務局長が、CGTNの番組「#LeadersTalk」の独占インタビューで現状をこう語りました。
世界で広がる「住まいの危機」
国際ニュースとしての住宅問題は、数字を見るとその深刻さがはっきりします。ロスバッハ事務局長によると、現在、世界では約28億人が「不十分な住宅」に暮らしています。このうち11億人以上はスラムや非公式な居住地に住み、さらに3億人超はまったく家がないホームレスの状態にあります。
国連は長年、「すべての人に適切な住宅」という目標を掲げてきましたが、世界は依然としてこのゴールから遠い状況にあるといいます。今回のインタビューは、その現実を改めて突きつける内容となりました。
スラムや非公式居住地に暮らす人びと
事務局長が示した数字の中でも、スラムや非公式な居住地に暮らす11億人以上という規模は、国際社会にとって大きなテーマです。こうした場所では、多くの場合、土地の権利が不安定で、インフラも整っていません。
雨風をしのげるだけでなく、安全性、プライバシー、法的な権利、インフラへのアクセスなどを備えた「適切な住宅」をどう実現するのか。これは、単なる建物の問題ではなく、格差や貧困、都市計画といった幅広い課題とつながっています。
アフリカとアジア太平洋に見える格差
ロスバッハ事務局長は、とくにアフリカとアジア太平洋地域で住宅やインフラへのアクセス格差が目立つと指摘しています。
アフリカ:都市住宅の6割超が非公式
アフリカでは、都市部の住宅のうち62%が「インフォーマル(非公式)」とされています。これは、多くの人びとが法的な土地所有権や十分なインフラを持たない住まいに暮らしていることを意味します。都市の成長と人口の増加に、住宅政策やインフラ整備が追いついていない現実がにじみます。
アジア太平洋:水と衛生が届かない
アジア太平洋地域でも、生活の基盤となる水と衛生へのアクセスが依然として課題です。事務局長は次のような数字を挙げています。
- 基本的な水サービスにアクセスできない人びと:5億人超
- 適切な衛生設備を持たない人びと:10億人超
住まいだけでなく、水やトイレといった最低限のサービスが届かない状況は、健康リスクを高めるだけでなく、教育や仕事の機会にも影響します。住宅問題は、他の社会問題と密接に絡み合っていることがわかります。
なぜ住宅問題が国際ニュースになるのか
今回のインタビューは、住宅をめぐる課題が一部の国や地域の話ではなく、世界規模のテーマであることを浮き彫りにしました。約28億人という数字は、世界人口のかなりの割合に相当します。
「どこで、どのような住まい方をしているのか」は、健康、安全、教育、雇用、さらには社会への参加のしやすさにも直結します。適切な住宅は、人権の一部として議論されてきましたが、現状はその理想にまだ追いついていないというのがロスバッハ事務局長の認識です。
このニュースから私たちが考えたいこと
日本から世界の住宅問題を見ると、距離感を覚えるかもしれません。しかし、国際ニュースとしてのこうした数字は、次のような問いを投げかけています。
- 自分にとって「適切な住宅」とは何か。それを世界の多くの人と共有できているのか。
- 水や衛生、インフラへのアクセスは、どこまで「当たり前」と言えるのか。
- 都市への人口集中が進むなかで、どのような都市づくりが望ましいのか。
CGTNの番組「#LeadersTalk」でのロスバッハ事務局長のメッセージは、住宅をめぐる課題を「遠いどこかの問題」としてではなく、同じ地球で暮らす私たち全員が向き合うべきテーマとして捉え直すきっかけを与えてくれます。
Reference(s):
cgtn.com








