国際ニュース:中国とEU国交50年とズービン・メータのクラシック音楽 video poster
中国と欧州連合(EU)が国交樹立50周年を迎えた2025年、世界的指揮者ズービン・メータ氏が中国を再訪し、クラシック音楽が東西をつなぐ「橋」になり続ける理由を語りました。
この記事のポイント
- 2025年、中国と欧州連合(EU)が国交樹立50周年を迎えました。
- 世界的指揮者ズービン・メータ氏が7月に中国を再訪し、CGTNのTian Wei氏と対談しました。
- メータ氏は、クラシック音楽を東西をつなぐ「長く続く橋」として語りました。
国交樹立50年の節目に語られた「音楽の橋」
中国と欧州の関係が50年という節目を迎えるなか、CGTNの番組で司会者のTian Wei氏が、世界的なマエストロであるズービン・メータ氏にインタビューしました。テーマは、クラシック音楽がどのようにして東西の文化や人々を結びつけてきたのかという点です。
メータ氏は、音楽は言語や政治体制を超えて共有できる「共通の土台」だと強調しました。中国と欧州が長年にわたって築いてきた関係の背後には、外交だけでなく、音楽や文化を通じた交流も確かに存在しているという視点です。
25歳で世界の名門オーケストラへ
インタビューでは、メータ氏自身の歩みも振り返られました。25歳という若さで、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団という世界有数のオーケストラを指揮したことが紹介されています。
その後、アメリカのニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督を歴代最長期間務めたことも、クラシック音楽の世界で果たしてきた役割の大きさを物語っています。欧州、中東、アメリカと、異なる地域で活動してきた経験が、彼の「東西をつなぐ」という視点をより立体的なものにしていると言えます。
2025年7月、中国と「子ども時代の上海」との再会
2025年7月、メータ氏は中国を再訪しました。そこで語られたのが、子ども時代に家族とともに過ごした上海の記憶です。街の空気や人々との触れ合いが印象深く心に残っていると振り返りました。
幼いころの上海での経験があったからこそ、再び中国の地に立つことは、単なる演奏旅行以上の意味を持っていたはずです。国際ニュースとしての「中国とEUの国交50年」という大きな枠組みの裏側に、一人の音楽家の個人的な思い出と感情が重なっていることが伝わってきます。
モーツァルトとベートーヴェンが示す「説得力」
メータ氏の言葉の中で、とりわけ象徴的だったのが次の一言です。
最終的には、モーツァルトとベートーヴェンの偉大さこそが、人々を本当に納得させてきたのだ――。
ここで語られている「納得させる力」は、ある国の立場を主張することではなく、音楽そのものの質と深さによって、聴く人の心に自然な共感や尊敬を生み出す力だと受け取ることができます。時代や国境が違っても、モーツァルトやベートーヴェンの作品に触れたときに感じる驚きや感動は、多くの人にとって共通の体験だからです。
東西をつなぐクラシック音楽、日本から見えること
中国と欧州連合(EU)の国交樹立50周年という国際ニュースは、日本に暮らす私たちにとって、少し遠い出来事のように感じられるかもしれません。しかし、メータ氏のエピソードや言葉に目を向けると、そこには日本と世界との関わり方にも通じるヒントが見えてきます。
- 外交の場だけでなく、音楽や芸術といった文化もまた、長い時間をかけて信頼を育てる手段になりうること。
- 一人ひとりの記憶や経験が、国と国との関係をより立体的で人間的なものにしていくこと。
- モーツァルトやベートーヴェンのような普遍的な作品が、異なる価値観を持つ人々の間に「共通の話題」と「共有できる感情」をもたらすこと。
ニュースでは、経済や安全保障などの対立や利害に関する話題が注目を集めがちです。その一方で、メータ氏が語るような文化や音楽の力に光を当てることは、国際関係を一段深く理解するきっかけにもなります。
これからの50年に向けて
国交樹立50年という節目は、過去を振り返るだけでなく、これからの50年をどのように築いていくのかを考えるタイミングでもあります。ズービン・メータ氏が中国で指揮を振り、子ども時代の上海の記憶を語り、モーツァルトとベートーヴェンの「説得力」に言及したことは、その一つ一つが東西をつなぐ静かな「橋」を少しずつ太くしているように感じられます。
クラシック音楽という、言葉の壁を越えるメディアが、中国と欧州、そしてアジアの私たちとのあいだで、これからどのような対話を生み出していくのか。2025年の今、その行方をゆっくりと見つめていきたいと思います。
Reference(s):
Back in China with classical music, a lasting East-West bridge
cgtn.com








