北京で豪雨、老人ホーム48人救出 国際ニュースで考える防災 video poster
今年7月末、北京の郊外・密雲区で発生した豪雨と鉄砲水で、高齢者施設の入所者を含む48人が消防隊により救出・避難されました。国際ニュースとして伝えられたこの出来事は、豪雨災害が増える中で、高齢者や要支援者をどう守るのかという課題をあらためて浮かび上がらせています。
北京・密雲区で豪雨 高齢者施設などから48人を救出
報道によると、7月28日、北京の北東部に位置する郊外の密雲区で、豪雨による鉄砲水(急激な洪水)が発生し、介護が必要な人が暮らす高齢者施設とその周辺が冠水しました。現場には消防隊が出動し、施設の入所者や近隣住民あわせて48人を救出し、安全な場所へと避難させました。
密雲区では7月26日以降、激しい雨が続き、山あいの地域では山洪と土砂崩れが起きていました。こうした山間部での豪雨は、短時間で川の水位や水の流れを大きく変化させ、周辺の住宅地や施設が一気に浸水するリスクを高めます。
なぜ高齢者施設は水害に弱いのか
今回のように、豪雨災害の現場で高齢者施設が被災するケースは各地で課題になっています。高齢者施設は、入所者の生活のしやすさを優先して段差を少なくしている一方で、避難に時間がかかる人が多く、浸水や土砂崩れが起きた際に迅速な対応が難しくなりがちです。
一般的に、高齢者施設が水害に弱くなりやすい理由としては、次のような点が挙げられます。
- 入所者の中に歩行が難しい人や車いす利用者が多く、階段や高台への避難に時間がかかる
- 医療機器や電源が必要な設備が多く、停電や浸水が起きると生活機能が一気に失われる
- 建物が河川や山あいの谷筋に近い場所に立地している場合、急激な増水や土砂流入の影響を受けやすい
そのため、豪雨が予想される際には、施設側が早めに避難方針を決め、地域の消防や自治体と連携して搬送手段や受け入れ先を確認しておくことが重要だと指摘されています。
北京の豪雨から見える、変わりつつある水害リスク
今回の北京・密雲区の豪雨は、山間部での雨が短時間で都市部や住宅地の災害につながることを示しています。世界の各都市でも、短時間で集中的に降る雨による鉄砲水や、都市型の洪水が問題になりつつあります。
気温の上昇に伴い、大気中に含まれる水蒸気量が増えると、1回あたりの雨の強さが増すと指摘する専門家もいます。豪雨が「まれな異常事態」ではなく、「いつ起きてもおかしくないリスク」として意識されるようになり、防災の考え方も更新が求められています。
日本の私たちができる備え 高齢の家族を守るために
北京の事例は、日本で暮らす私たちにとっても「高齢の家族や要支援者をどう守るか」を考えるきっかけになります。特に、家族が高齢者施設やサービス付き住宅などで暮らしている場合、平時からの準備が重要です。
日常の中で、次のようなポイントを一度確認してみることが勧められます。
- 自宅や家族の施設がある場所のハザードマップ(洪水や土砂災害の想定区域)を確認する
- 豪雨や台風が予想されるときの連絡手段や安否確認の方法を家族で共有しておく
- 施設側に、避難計画や災害時の対応方針についてあらかじめ質問し、内容を把握しておく
- 常備薬や眼鏡、補聴器など、避難時に欠かせないものをリスト化し、必要に応じて緊急持ち出し袋にまとめておく
国際ニュースは、遠く離れた出来事のように感じられますが、背景にある課題は日本の私たちの生活とも深くつながっています。北京・密雲区での救出劇を、他国の話として眺めるだけでなく、「もし自分や家族が同じ状況になったらどうするか」を話し合うきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
Firefighters rescue nursing home residents from flooding in Beijing
cgtn.com








