国連80周年とパリ2024聖火ランナー マチュー・トラヴェルの希望のバトン video poster
国連80周年とパリ2024聖火ランナー マチュー・トラヴェルの希望のバトン
国連創設80周年という節目に、パリ2024オリンピックの聖火ランナーでユーチューバー、さらに障害者の権利を訴える活動家でもあるマチュー・トラヴェル氏が、より強い国際対話と協力を呼びかけています。病と向き合いながらも楽観と連帯を体現するその姿は、国際ニュースの見え方を静かに問い直しています。
国連80周年に届いたUN80の呼びかけ
2025年、国際連合は創設80周年を迎えました。この節目の年に合わせ、トラヴェル氏はUN80のメッセージとして、人類が分断ではなく対話と協力を選ぶべきだと訴えています。世界各地で紛争や不安定な状況が続くなか、彼は「希望」と「連帯」という国連が大切にしてきた価値を、自身の歩みを通じて示しています。
病気による制約がありながらも、公の場で発信を続けるトラヴェル氏の姿は、「誰も取り残さない」という理念を体現するものです。国連が掲げる人権や平等の価値は、会議場だけでなく、こうした一人ひとりの物語の中にも息づいていることを思い出させます。
パリ2024聖火ランナーがつなぐ希望
昨年開催されたパリ2024オリンピックで、トラヴェル氏は聖火ランナーとしてトーチを掲げました。聖火は、平和と友情の象徴とされてきましたが、彼にとってそれは「希望のバトン」を世界へ手渡す行為でもありました。
病とともに生きる自分が街を走る姿を見せることは、障害や病気を抱える人も社会の主役になれるというメッセージでもあります。国境や言語を超えて注目を集めるオリンピックの場で、彼が掲げたトーチは、より包摂的な社会を求める多くの人の思いを重ね合わせる象徴となりました。
病とともに生きるユーチューバーとして
トラヴェル氏はユーチューバーとしても活動し、自身の病や生活のリアルな姿を発信しながら、障害のある人の権利の大切さを伝えています。動画という身近なメディアを通じて、国際政治の場で語られる「インクルージョン(包摂)」を、日常レベルの物語へと翻訳しているとも言えます。
- 自分の経験をもとに、障害のある人が直面する壁を具体的に共有する
- 困難だけでなく、そこにある喜びやユーモアも伝え、共感の輪を広げる
- 誰もが尊厳をもって生きられる社会の必要性を、シンプルな言葉で訴える
こうした発信は、国連の会議文書よりもはるかに直接的に、多くの人の心に届きます。グローバルな課題を「自分ごと」として感じられるかどうかは、こうした身近な声に触れられるかどうかに左右されるのかもしれません。
互いを愛する理由を探すという提案
トラヴェル氏がUN80の文脈で強調するのは、「この地球に生きるすべての人が、互いを愛する理由を探そう」という提案です。ここで言う「愛」は、ロマンチックな感情ではなく、相手を人として尊重しようとする態度に近いものです。
その態度は、次のような小さな行動から始められます。
- 自分とは違う背景を持つ人の声に、意識的に耳を傾ける
- 障害のある人やマイノリティの人が語る経験を学び、共有する
- SNSで憎しみをあおる投稿ではなく、対話や共感を生む情報を選んで広げる
国連が掲げる「国際協力」や「連帯」といった言葉は、抽象的に聞こえがちです。しかし、トラヴェル氏の呼びかけは、それを日常の選択や関係性の中で具体的な行動へと落とし込むヒントになっています。
国連80周年に、私たちが受け取るべきバトン
創設80周年を迎えた国連は、これからの数十年に向けて、新しい形の国際協力を模索しています。その大きな流れの中で、マチュー・トラヴェル氏の物語は、世界の課題と私たちの日常がつながっていることを静かに教えてくれます。
国際ニュースを日本語で追いながら、同時に一人のユーチューバーのメッセージに耳を傾けること。その両方を行き来することで、私たちは「遠い国際政治」と「身近な暮らし」のあいだに橋をかけることができます。
国連80周年の今年、自分にとっての「希望のバトン」は何かを、あらためて考えてみるタイミングかもしれません。トラヴェル氏が掲げたトーチの光は、その問いを私たち一人ひとりに投げかけています。
Reference(s):
Matthieu Travers' UN80 plea: Unite humanity, carry the torch of hope
cgtn.com








