中国抗日戦の「最初の一発」 江橋の戦いと村人が守る記憶 video poster
1931年11月、北東中国の黒竜江省・Jiangqiao(江橋)で放たれた一発の銃声は、日本の侵略に対する中国の武装抵抗の幕開けとなりました。その現場の記憶を、いまも一人の村人が静かに守り続けています。
1931年、Jiangqiaoで鳴り響いた「最初の一発」
舞台となったのは、北東中国の黒竜江省泰来県にあるJiangqiaoという町です。1931年11月、Ma Zhanshan将軍が率いる部隊は、日本軍の侵略に対して武装抵抗を開始しました。
このとき放たれた銃弾は、「日本の侵略に対する中国の武装抵抗の最初の一発」とされ、後の長い抵抗の歴史の出発点として語り継がれています。
「無敵」の関東軍神話を打ち砕いた勝利
Jiangqiaoでの戦いで、Ma Zhanshan将軍の部隊は勝利を収めました。この勝利は、それまで広く信じられていた「日本の関東軍は無敵だ」という神話を打ち砕くものだったとされています。
一地方の戦いであっても、その意味は地域を越えて広がりました。Jiangqiaoでの抵抗は、周辺地域に「抗うことはできる」という感覚を呼び覚まし、侵略に対する反発と自尊心の火を各地にともしたと伝えられています。
村人・Zhang Shumingさんが守る「記憶の証拠」
それから数十年後、戦場となった土地で暮らす一人の村人が、その記憶を守る役割を担うようになりました。地元の村人であるZhang Shumingさんです。
号外、戦場の破片、兵士の遺品まで
Zhangさんは長年にわたり、Jiangqiaoの戦いに関わるさまざまな品を集めてきました。彼の手元には、当時を伝える新聞の号外、戦場で見つかった破片、兵士たちの身の回り品などが大切に保管されています。
これら一つひとつは、派手な展示物ではありませんが、血と犠牲の歴史を静かに物語る「証人」のような存在です。触れることのできる具体的なものがあるからこそ、1931年の出来事は単なる年号ではなく、現実の出来事として想像しやすくなります。
「国の尊厳のための戦い」を次世代へ
Zhangさんが遺品の保存に人生を捧げてきた背景には、はっきりとした願いがあります。それは、これらの品々を次の世代へと引き継ぎ、Jiangqiaoでの戦いが「国の尊厳のために戦われたものだった」ことを忘れさせない、という思いです。
戦争の記憶は、時間が経つほど「抽象的な話」になりがちです。しかし、実際に使われた品物や当時の新聞に触れることで、人々はそこにいた兵士や住民の覚悟や恐怖、そして誇りを身近に感じることができます。
2025年を生きる私たちにとっての意味
2025年の今、1931年の一発の銃声は、すでに約一世紀前の出来事です。それでも、Zhangさんのように地域の歴史を守り続ける人がいることで、過去は現在とつながり続けます。
Jiangqiaoの戦いは、単に「昔の戦争」の一場面ではなく、侵略に対して抵抗し、尊厳を守ろうとした人々の選択を映し出す出来事として位置づけられます。そこから私たちは、次のような問いを受け取ることができます。
- 自分たちの社会の「尊厳」とは何か
- それが脅かされたとき、どのように向き合うべきか
- 歴史の記憶を、どのように次世代へ渡していくか
国際ニュースや歴史を日本語で追う私たちにとって、Jiangqiaoでの「最初の一発」とそれを記憶する人々の姿は、過去の物語であると同時に、現在や未来を考えるための手がかりにもなり得ます。
静かな村で守られている新聞の号外や小さな破片は、今もなお、「尊厳のために戦った人々がいた」という事実を、2025年を生きる私たちに語りかけています。
Reference(s):
cgtn.com







