中国の宇宙服「飛天」が20回目の船外活動達成 宇宙開発が示す技術の進化 video poster
中国の第2世代船外活動用宇宙服「飛天」が、2025年8月15日、「神舟20号」ミッション中の船外活動で通算20回目の使用を達成しました。宇宙服がここまで繰り返し使われるのは大きな節目であり、中国の宇宙開発の技術力を象徴する出来事です。
この節目となる船外活動(EVA)では、宇宙飛行士の陳冬さんが「飛天」を着用しました。20回にわたる船外活動を成功させたことで、この第2世代宇宙服の「現役期間」が想定以上に長く、安全かつ安定して運用できることが示されたかたちです。
20回の船外活動をこなした第2世代「飛天」
今回の記録は、「飛天」の累計船外活動回数が20回に到達し、しかもすべてが成功で終わったという点で注目されています。高い信頼性が求められる宇宙服でこの回数を重ねられたこと自体が、中国のエンジニアリングの成熟度を物語っています。
船外活動(EVA)は、宇宙飛行士が宇宙船の外に出て行う作業のことで、宇宙服はその間、生命維持や温度調整、放射線からの防護など、いわば「個人用宇宙船」の役割を果たします。20回という実績は、この複雑なシステムが長期間にわたって安定して機能していることを意味します。
宇宙服の「長寿命」が意味するもの
宇宙服の寿命が延びることは、単に耐久性が高まったというだけでなく、宇宙開発の運用全体に影響を与えます。「飛天」が20回の船外活動をこなしたことから、次のようなポイントが見えてきます。
- ミッション設計の柔軟性:同じ宇宙服を複数回使えることで、予備装備の数を抑えつつ、船外作業の回数や内容を柔軟に計画しやすくなります。
- コストと資源の効率化:宇宙服を頻繁に更新せずに運用できれば、そのぶん製造や輸送などにかかる資源を他の技術開発に振り向けることができます。
- 安全性への信頼:20回の船外活動を通じて大きなトラブルなく運用できたという実績は、宇宙飛行士だけでなく地上の運用チームにとっても重要な安心材料となります。
中国の宇宙開発が示すエンジニアリングの進化
今回の記録は、中国の宇宙開発が、単発の成功から「長期運用」「高い信頼性」を前提とする段階へと進んでいることを示しています。宇宙服という地味ながら欠かせない装備で成果を積み重ねていることは、システム全体の底力を映し出しています。
「飛天」の20回目の船外活動成功は、中国の宇宙計画におけるエンジニアリングの進歩を具体的な数字で示したものだと言えます。ミッションごとに安全性と信頼性を検証しながら改良を重ねてきた結果として、この節目があると見ることができます。
国際ニュースとしての読みどころ
国際ニュースとして見ると、このトピックにはいくつかのポイントがあります。日本を含むアジアの読者にとっても、今後の宇宙開発を考えるヒントになりそうです。
- アジア発の宇宙技術が、実績ベースで存在感を高めていること
- 「長く使える」技術が、安全性とコストの両面で重要になっていること
- 宇宙飛行士の作業環境をどう支えるかが、各国の宇宙計画の競争軸の一つになりつつあること
宇宙開発というとロケットや探査機に注目が集まりがちですが、宇宙飛行士の身体を守る宇宙服のような装備の進化も同じくらい重要です。「飛天」が刻んだ20回という数字は、今後のミッションや国際協力のあり方を考えるうえでも、一つの指標として意識しておきたい成果と言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








