テルアビブで大規模デモ ガザ戦争の即時停止求める【国際ニュース】 video poster
イスラエルのテルアビブで2025年8月23日、ガザ戦争の即時停止とイスラエル人拉致被害者の解放を求める大規模な抗議デモが行われました。国連の支援を受ける食料安全保障機関がガザ市での飢饉を確認し、パレスチナ側の死者が6万2600人を超えると報告される中、戦争の行方に対する市民の不安と危機感が街頭にあふれました。
ハビマ広場を埋めた数千人のデモ隊
8月23日の夕方、テルアビブ中心部のハビマ広場には、数千人規模の人びとが集まりました。参加者たちは、ガザで続くイスラエル軍の軍事作戦の即時停止と、ガザ地区に拘束されているイスラエル人の人質の解放を求めて行進しました。
デモ隊が掲げたプラカードには、英語で書かれたメッセージが目立ちました。例えば、戦闘の中止を求める「Stop the War」、そして人質解放につながる合意を妨げることへの批判を込めた「Sabotaging Deals Kills Hostages」といったスローガンです。こうした言葉には、軍事行動と外交交渉の両方に対する危機感がにじみます。
飢饉と死者6万2600人超という現実
今回のデモは、ガザの人道危機が一段と深刻化する中で起きました。国連の支援を受ける食料安全保障機関は、同月初めにガザ市で飢饉が発生していると確認しました。飢饉とは、極度の食料不足により広い範囲で人命が失われる危険な状況を指します。
また、2023年10月以降のガザ戦争で亡くなったパレスチナ人は、これまでに6万2600人以上にのぼると報告されています。これは、激しい戦闘とその余波が長期にわたって続いた結果とされています。
イスラエル国内の抗議行動は、多くの場合、人質解放と安全保障をめぐる強い問題意識から生まれますが、ガザで続く犠牲の拡大や飢饉への懸念も無視できないものになりつつあります。今回のデモも、その両方を背景にしていると言えます。
イスラエル社会の迷いと圧力
今回のテルアビブでのデモは、イスラエル社会の中で、軍事行動を続けるべきか、それとも停戦と交渉を優先すべきかという迷いが強まっていることを映しています。参加者たちは、戦争を続ければ人質の解放も遠のき、ガザの人道危機も深まると訴えました。
一方で、軍事作戦の継続を求める声も国内には存在します。イスラエルにとって安全保障は死活的な課題であり、強硬な姿勢を支持する世論もあります。今回のデモは、そうした立場とは異なる視点から、安全と人道をどう両立させるかという問いを突きつけるものだと言えるでしょう。
国際ニュースとしての意味と私たちへの問い
2023年10月以降のガザ戦争は、中東情勢だけでなく、国際政治全体に大きな影響を与えてきました。今回のテルアビブでの抗議デモは、その渦中にいる当事者の社会がどのように戦争を受け止め、どのような出口を模索しているのかを示す一つの事例です。
日本から国際ニュースを見ていると、戦闘の経過や外交の駆け引きに注目しがちですが、市民がどのような言葉で政府や軍の方針に異議を唱えようとしているのかに目を向けることも、情勢を深く理解する手がかりになります。
このニュースから考えられるポイントを、あえて三つに絞ってみます。
- 戦争の目的と、人質解放や市民保護といった別の優先課題は、どのように両立しうるのか。
- 飢饉や大量の犠牲者といった人道危機は、いつ軍事作戦のあり方を根本から見直す引き金になるのか。
- 遠く離れた場所に暮らす私たちは、どのような情報に触れ、どんな言葉でこの状況を語るべきなのか。
テルアビブのハビマ広場で掲げられた「Stop the War」と「Sabotaging Deals Kills Hostages」という二つのメッセージは、戦争をめぐる議論が単純な賛成か反対かではなく、複雑なジレンマの中で揺れていることを物語っています。国際ニュースを日本語で追う私たちにとっても、その揺れを丁寧に読み解くことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








