国連監視機関がガザ飢饉を宣言 中東で初の事態と現地の悲痛な声 video poster
国連の監視機関が、ガザ地区で飢饉(ききん)が発生していると公式に宣言しました。中東で飢饉が宣言されるのはこれが初めてで、人道危機が新たな段階に入ったことを示しています。
国連監視機関「ガザで飢饉が進行」
国連の監視機関は、ガザでの飢饉を正式に認定し、その背景として「本来は防ぐことができたはずの大惨事だ」と指摘しています。声明によると、もし支援物資の搬入がイスラエルによって組織的に妨げられていなければ、ここまで深刻な事態には至らなかったとしています。
この飢饉宣言は、中東地域で初めてのケースです。食料や医療などの基本的な物資が長期間にわたって不足し、多くの人が極度の栄養失調と飢えにさらされている状況が、国際的にも最も深刻なレベルに達したことを意味します。
「娘には食べ物も薬もない」現地の声
ガザに暮らすある母親は、中国の国際メディアCGTNの取材に対し、「包囲と飢饉のせいで、娘の健康状態は悪化しました」と語りました。娘は栄養失調に苦しんでおり、「食べ物も薬もない」と訴えています。
日常的な食事はもちろん、病気を治療するための基本的な医薬品すら手に入らない――。この証言は、統計や報告書では見えにくい、家庭レベルの切迫した現実を伝えています。
支援物資の「体系的な阻止」が招いた危機
国連の監視機関は、今回の飢饉について、「支援物資の搬入が体系的に阻止されていなければ、防ぐことができたはずだ」としています。特に、ガザへの出入りや物資輸送の管理を行っているイスラエルによる制限が、人道支援の妨げになっていると指摘しました。
支援物資が十分に届かないことで、次のような連鎖が起きます。
- 子どもや高齢者など、弱い立場にいる人から先に栄養失調が進む
- 病気になっても治療に必要な薬や医療器具が不足する
- 栄養不足と感染症が重なり、命を落とす人が急増する
こうしたサイクルが続けば続くほど、飢饉からの回復にはより多くの時間と支援が必要になります。
「初の中東での飢饉宣言」が示す重さ
中東は、長年にわたり紛争や政治的緊張が続いてきた地域ですが、国連による公式な飢饉宣言は出されてきませんでした。その中で、ガザが中東で初めての飢饉地域と認定されたことは、地域の不安定さが人道面で新たな段階に入ったことを象徴しています。
飢饉は、単なる「食料不足」ではありません。国際的な基準では、
- 人口の大部分が深刻な飢えにさらされていること
- 栄養失調が急増していること
- 飢えや栄養失調が原因の死亡が急激に増えていること
などが重なったときに初めて「飢饉」と認定されます。今回のガザでの宣言は、こうした条件が満たされるほど事態が深刻化していることを意味します。
私たちはこのニュースをどう受け止めるか
ガザでの飢饉は、遠い地域の出来事に見えるかもしれません。しかし、「援助があれば防げたかもしれない人道危機」が現実に起きているという点で、国際社会の責任や私たち一人ひとりの関心の持ち方が改めて問われています。
数字や地政学だけで語られがちなガザ情勢の中で、「娘に食べ物も薬もない」と訴える一人の母親の声は、状況を自分ごととして想像するきっかけになります。
ニュースを追うときに、
- 誰の視点から語られている情報なのか
- そこに暮らす人々の生活はどう変わっているのか
- 自分が信頼できる情報源はどこか
といった問いを持つことが、複雑な国際ニュースを理解するうえでの第一歩になりそうです。
Reference(s):
'My daughter has no food, no medicine': UN declares famine in Gaza
cgtn.com








