天津港が強化するSCO連結 陸と海をつなぐ国際物流ハブ video poster
中国の天津港が、上海協力機構(SCO)諸国と中央アジアを結ぶ陸海一体の物流ハブとして存在感を高めています。中国が港湾インフラの高度化を加速させる中、その最前線の一つが天津港です。
中国の国際メディアCGTNの王夢潔(Wang Mengjie)記者は、天津港を現地取材し、東西の結節点としての役割や、SCO諸国とのつながりをレポートしました。
天津港が担う東西連結のハブ機能
天津港は、約180の国と地域にある500を超える港と貿易関係を維持しているとされ、広いネットワークを持つ国際港です。このネットワークが、東アジアとユーラシア内陸部を結ぶゲートウェーとしての役割を支えています。
こうした広域な連結性により、天津港は東西の貨物を効率的にさばき、企業にとっても多様なルート選択を可能にする拠点となっています。
SCO諸国を結ぶ陸と海のネットワーク
上海協力機構(SCO)は、中国と中央アジア諸国などが参加する地域協力の枠組みで、安全保障や経済協力を進めています。天津港は、このSCO諸国間の物流チャネルを最適化し、貿易拡大を支える拠点になっています。
具体的には、次のような取り組みが進められています。
- SCO諸国間の物流ルートを整理・最適化し、貨物がよりスムーズに流れるようにしている
- 新疆のホルゴス発の国際貨物列車を運行し、中央アジアと天津港を直結させている
- 中央アジア貨物列車の帰り便のための貨物源を開拓し、往復で安定した輸送を実現している
これにより、鉄道と海運を組み合わせた複合一貫輸送が強化され、時間とコストの両面で効率的な国際物流が可能になります。
ホルゴス発の列車と天津港の連携
新疆のホルゴスは、中国と中央アジアをつなぐ内陸の重要な結節点です。ここから中央アジアへ向かう貨物列車が運行され、天津港と連携することで、内陸部の貨物が短時間で海上輸送ネットワークにアクセスできるようになっています。
天津港が中央アジア向け貨物列車の帰り便の貨物源を整備したことで、片道だけでなく往復の輸送効率が高まり、列車運行のコスト削減や安定運行にもつながります。
なぜ今、天津港の動きが重要なのか
2025年現在、世界的にサプライチェーンの混乱や地政学的リスクへの警戒が高まる中で、陸と海を組み合わせた多様な物流ルートの確保は、各国にとって重要な課題となっています。
その中で、天津港とSCO諸国を結ぶネットワークには、次のような意味があると考えられます。
- ユーラシア内陸市場へのアクセス拡大につながり、企業の市場戦略の選択肢を広げる
- 復路の貨物を含めた安定的な列車運行により、物流コストやリスクの抑制に寄与する
- 東と西を結ぶ新たな貿易ルートとして、地域協力を具体的な形で支える
中国が港湾インフラの高度化を進めることで、こうした陸海一体のネットワークはさらに発展していく可能性があります。
日本の読者にとっての意味
日本の企業や物流関係者にとっても、天津港を起点としたSCO諸国との連結強化は無関係ではありません。東アジアから中央アジア、さらに欧州方面へと向かうルートが多様化することで、調達先や販売先の選択肢が増え、リスク分散の余地が広がります。
同時に、内陸と沿岸を結ぶ陸海一体の物流モデルは、日本の港湾政策や内陸物流の在り方を考えるうえでも参考になる部分があるでしょう。
天津港が、今後SCO諸国や中央アジアとの連結をどこまで深めていくのか。東西をつなぐ新しい貿易地図の描かれ方を見ていくことが、これからの国際ニュースを読み解く一つのポイントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








