中国国際サービス貿易交易会2025を振り返る AIとデジタルの新潮流 video poster
2025年9月10〜14日に北京で開催された中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)2025は、世界70カ国以上から約2000社の代表が集まる、世界最大級のサービス貿易の見本市でした。AI(人工知能)、バイオ医療、デジタルサービスが前面に打ち出された今回の国際イベントを振り返り、その意味を整理します。
CIFTISとは何か ― 世界最大級のサービス貿易フェア
中国国際サービス貿易交易会は、モノではなく、金融や教育、観光、ITなどに代表される「サービス」の国際取引に焦点を当てた見本市です。さまざまなサービス分野に関わる企業や団体が集まり、新しいビジネスモデルや協力の可能性を探る場となっています。
2025年のCIFTISには、世界70カ国以上から代表団が集まり、約2000社が参加しました。その規模は、サービス分野に特化したイベントとして世界最大級と位置付けられています。世界中の企業や政策担当者が顔を合わせることで、国境を越えたサービス産業の連携や、ルールづくりの方向性を共有するきっかけが生まれます。
2025年CIFTISの3つの焦点
今回のCIFTISで特に注目を集めたのが、次の3分野でした。
- AI(人工知能)
- バイオ医療
- デジタルサービス
AI:あらゆるサービスの「共通インフラ」に
AIは、翻訳やコールセンター、物流の最適化など、すでに多くのサービス分野に組み込まれています。CIFTISでAIが大きく取り上げられたことは、サービス産業にとってAIが「特別な技術」ではなく、ビジネスの前提となるインフラになりつつあることを象徴していると言えます。
企業にとっては、AIそのものを開発するかどうかだけでなく、自社のサービスにどのようにAIを組み込むかが競争力を左右する時代に入っていることを、今回のテーマ設定は示していました。
バイオ医療:医療サービスの国際化を加速
バイオ医療は、医薬品や医療機器だけでなく、遠隔医療や健康データの管理など、サービスとしての側面が強まりつつある分野です。CIFTISでバイオ医療が前面に出たことは、医療やヘルスケアが今や「国内の制度」にとどまらず、国際的な産業・サービスとして位置付けられていることを示しています。
高齢化が進むアジア各国にとっても、医療サービスの質向上とコスト抑制を両立させる新しい仕組みづくりは、共通の課題になっています。バイオ医療をテーマにした議論や情報発信は、そのヒントを探るプロセスの一部と言えるでしょう。
デジタルサービス:境界を越える経済の主役
デジタルサービスは、オンライン会議、クラウド、動画配信、オンライン教育など、多くの人が日常的に利用する分野です。国境を越えて提供されることが前提のサービスであるため、国際ルールやデータの扱い方が常に議論の対象となります。
世界中から企業が集まるCIFTISの場でデジタルサービスが強調されたことは、デジタル経済が今後のサービス貿易の中核であることを改めて浮き彫りにしました。
70カ国以上・約2000社が集結する意味
70カ国以上から約2000社が参加するスケールは、単なる展示会を超えた意味を持ちます。政府関係者、企業、スタートアップ、研究機関など多様な主体が同じ空間で交流することで、次のような効果が期待できます。
- 新しいサービスの実証やパートナー探しの場になる
- 規制や標準化に関する対話が進む
- サービス産業に関わる人材やアイデアが国境を越えて循環する
特にサービス貿易は、目に見えるモノの貿易に比べて実態がつかみにくく、ルールづくりも難しい分野です。だからこそ、世界規模のフェアを通じて互いの状況を知り、共通の課題を言語化することに意味があります。
日本の読者・企業にとっての視点
日本の読者にとって、CIFTISのような国際サービス貿易フェアは「遠い世界の話」に見えるかもしれません。しかし、そこで取り上げられるテーマは、すでに私たちの日常や仕事の現場と直結しています。
- AIの活用レベルが、企業や自治体のサービス品質を左右する
- バイオ医療やデジタルヘルスの進展が、医療の受け方や働き方を変える
- デジタルサービスの国際ルールが、越境ECやクラウド利用の条件を左右する
海外の大規模イベントをニュースとして追うことは、自分たちの足元で何が変わりつつあるのかを把握するための一つの手がかりになります。CIFTISの動きをきっかけに、自分の業界や地域でどのような変化が起きそうかを考えてみると、見える景色が変わってくるかもしれません。
2025年の世界サービス貿易を映す「鏡」として
2025年9月に北京で開催された中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)2025は、AI、バイオ医療、デジタルサービスというキーワードを通じて、世界のサービス産業がどこに向かおうとしているのかを映し出しました。
国際ニュースを追うとき、「どの国が得をするか」といった短期的な視点に目が行きがちです。しかし、サービス貿易の変化は、中長期的には働き方や生活のあり方そのものを変えていきます。2025年のCIFTISを一つの節目として、これから数年のうちに自分たちの身の回りで起きる変化を、少し先回りして考えてみることが求められているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








