カザフスタンと中国、2030年までに貿易額倍増へ 800億ドル目標の狙い video poster
カザフスタンと中国の貿易・経済関係が、上海協力機構(SCO)の枠組みの中で新たな段階に入りつつあります。カザフスタンのアルマン・シャッカリエフ貿易・統合相は、中国との貿易額を2030年までに倍増させ、約800億ドル規模を目指すという野心的な目標を示しました。
上海協力機構の枠組みで「新たなレベル」へ
今回の動きは、上海協力機構という地域協力の枠組みの中で進んでいる点が特徴です。カザフスタンと中国は、この枠組みを通じて貿易や投資だけでなく、より広い経済協力を強化しようとしています。
両国の関係は、単なる隣国同士の取引から、長期的なパートナーシップへと質的にステップアップしつつあるといえます。シャッカリエフ氏が語る「貿易額倍増」という目標は、その流れを象徴する数字です。
カザフスタン貿易相が示した「800億ドル」ビジョン
中国国際テレビ(CGTN)の記者アイゲリム・カリ氏との単独インタビューで、シャッカリエフ貿易・統合相は、カザフスタンと中国の二国間貿易を2030年までに現在の約2倍に引き上げる方針を明らかにしました。その規模はおよそ800億ドルに達することを目標としています。
具体的な道筋として同相が強調したのは、貿易額そのものの拡大だけでなく、「取引の質」を高めるための制度面・産業面での連携強化です。数値目標の背後には、両国の経済関係をより戦略的なものにする狙いがあるとみられます。
焦点は「通関手続きの簡素化」と「産業協力」
シャッカリエフ氏によると、カザフスタンと中国が当面の重点としているのは、次の2つの分野です。
- 通関手続きの簡素化:国境を越えるモノの流れをスムーズにするため、税関での手続きの効率化やデジタル化を進めることが検討されています。手続きが簡素になれば、企業のコストや時間の負担が減り、中小企業にとっても国際取引に参加しやすくなります。
- 産業協力の強化:単なるモノの売り買いにとどまらず、製造業やインフラなどの分野で共同プロジェクトを増やし、付加価値の高い産業協力を広げていくことが重視されています。
こうした取り組みが進めば、貿易額の拡大だけでなく、両国の産業構造にも影響を与える可能性があります。
なぜ800億ドル目標が注目されるのか
2030年までに貿易額を倍増させるという目標は、カザフスタンと中国の経済関係が長期的な視野で設計されていることを意味します。数字そのものよりも重要なのは、両国が通関制度や産業協力といった「しくみ」づくりに踏み込もうとしている点です。
制度やインフラが整えば、エネルギーや資源分野に限らず、多様な商品やサービスが両国間を行き来しやすくなります。これは、ユーラシア大陸をまたぐ物流ネットワークや、周辺国との経済連携にも波及していく可能性があります。
日本の読者にとっての意味
日本にいる私たちにとっても、カザフスタンと中国の貿易・経済協力の動きは無関係ではありません。ユーラシア地域の貿易ルートやサプライチェーンが変化すれば、日本企業の調達や輸送の選択肢にも間接的な影響が出ることが考えられます。
また、通関手続きの簡素化や産業協力の強化といったテーマは、日本企業が他の国・地域と連携する際にも共通する課題です。カザフスタンと中国の取り組みを追うことで、国際ビジネスの新しい潮流や、地域協力のあり方を考えるヒントにもなりそうです。
2030年に向けた800億ドルの目標は、単なる二国間の数字ではなく、ユーラシアの経済地図がどのように変わっていくのかを読み解く一つの手がかりといえるでしょう。
Reference(s):
Kazakh minister: Deeper ties key to $80 billion trade goal with China
cgtn.com








