ワシントンで労働者デモ トランプ氏の労働組合政策に異議 video poster
アメリカの首都ワシントンD.C.で8月28日、30を超える労働組合や市民団体の労働者が行進し、ドナルド・トランプ米大統領の労働政策に抗議しました。連邦政府の一部機関で労働組合の団体交渉権を制限する大統領令に反対するとともに、企業による組合つぶしや経済格差の拡大に対する不満を可視化した形です。
30以上の組織が集結 ワシントン中心部を行進
この日、ワシントンD.C.には30を超える労働組合や関連団体の労働者が集まり、デモ行進を行いました。参加者たちは、賃金や労働条件の改善、労働組合の権利保護を訴えながら行進し、連邦政府の政策に対する不満を表明しました。
デモの中心にあったのは、同じ日に署名されたトランプ大統領の大統領令です。この大統領令は、特定の連邦政府機関で働く職員を対象に、労働組合が行う団体交渉の権限を制限する内容だとされています。
争点は「団体交渉権」 連邦政府の一部機関で制限
今回、労働者たちが強く反発したのが、連邦政府職員の団体交渉権を制限する大統領令です。団体交渉権とは、労働者が労働組合を通じて、賃金や労働時間、安全対策などの労働条件について、使用者側と話し合う権利のことです。
大統領令は、一部の連邦機関において、この団体交渉の範囲を狭めるもので、労働者側は「声を上げる場を奪うものだ」と懸念を示しています。デモ参加者にとっては、職場の環境を守るための基本的な仕組みが弱められることへの危機感が、大きな動機になりました。
企業による組合つぶしと経済格差への怒り
今回のワシントンでのデモは、単に一つの大統領令への抗議にとどまらず、企業による組合つぶしや、広がる経済格差への問題提起という側面もありました。
- 企業が労働組合の結成や活動を妨げる動きへの批判
- 富の偏在が進む中で、労働者が取り分を確保できていないという不満
- 賃金停滞や雇用の不安定化に対する危機感
デモ参加者たちは、こうした課題に対して、労働組合が果たす役割を守ることが重要だと訴えました。労働者が集団として声を上げる仕組みが弱まれば、経済格差はさらに拡大しかねないという問題意識があります。
アメリカのレーバーデーとは何か
今回のデモが行われたのは、アメリカのレーバーデー(Labor Day)を控えた時期でした。レーバーデーは、アメリカで毎年9月の第1月曜日に定められている祝日で、労働者と労働運動に敬意を払う日とされています。
多くのアメリカ人にとって、レーバーデーは「夏の終わり」を象徴する休日であると同時に、働く人びとの権利や労働条件を見つめ直すきっかけでもあります。その前のタイミングで行われた今回のデモには、労働者の声をレーバーデーに向けて社会に訴えたいという狙いもあったといえます。
日本の読者にとっての意味 労働と格差をどう考えるか
ワシントンD.C.でのデモは、アメリカの国内問題であると同時に、日本の私たちにも示唆を与える出来事です。日本でも、非正規雇用の拡大や実質賃金の動き、ワークライフバランスの確保など、労働をめぐる課題は山積しています。
- 労働者の声をどうやって政策に反映させるのか
- 企業の競争力と、働く人の生活の質をどう両立させるのか
- 格差が広がるなかで、社会の分断をどう防ぐのか
アメリカの労働者が、団体交渉権の制限や経済格差に対して声を上げた背景を知ることは、日本社会のこれからを考えるうえでもヒントになります。ニュースをきっかけに、自分の働き方や、職場での「発言する権利」について考えてみることが求められているのかもしれません。
レーバーデー前の抗議行動が投げかける問い
レーバーデーは労働者をたたえる日であり、その直前に行われたワシントンD.C.でのデモは、「労働者の権利は本当に守られているのか」という問いを社会に突きつけました。トランプ大統領の大統領令に対する反発は、労働組合の権利を守ることが、単に一部の組合員の問題ではなく、広く社会全体の公平さや安定につながるという認識の表れでもあります。
国際ニュースを日本語で追うことで、遠く離れた国の出来事を、自分たちの社会の課題と結びつけて考えることができます。今回のワシントンD.C.でのデモは、その一つのきっかけとなりそうです。
Reference(s):
Labor Day rallies in Washington challenge Trump's union policies
cgtn.com








