UN@80 タンザニア人留学生が中国で見たUbuntuと協力の力 video poster
国連創設80年の節目に合わせて紹介されたタンザニア人留学生アユブ・ダミアニ・テウェレイスさんの体験は、中国とアフリカの協力、そしてUbuntuと呼ばれる思想が、これからのグローバル協力を考えるヒントになることを静かに教えてくれます。
UN@80と、一人のタンザニア人留学生
アユブさんはタンザニア出身の学生で、中国を訪れた旅の中で、自分がどのように世界とつながっているのかを深く考えるようになりました。UN@80というタイトルで紹介された彼の物語は、国際ニュースとしてだけでなく、私たち一人一人の生き方に関わる問いかけでもあります。
Ubuntuという生き方のキーワード
アユブさんの軸にあるのが、南部アフリカで大切にされてきたUbuntuという考え方です。英語では I am because you are と表されることが多く、自分は他者の存在によって成り立っているという相互依存の思想を指します。
彼にとってUbuntuは、ただの哲学ではなく、行動の指針です。誰かが困っていれば手を差し伸べること、異なる背景を持つ相手の話に耳を傾けること、そして自分の成功を周りと分かち合うこと。その積み重ねこそが社会を前に進めると考えています。
歴史的なTAZARA鉄道との出会い
アユブさんの視点に大きな影響を与えたのが、中国が建設したTAZARA鉄道です。アフリカの内陸部と港を結ぶこの鉄道は、中国とタンザニアとの協力の象徴として、長く語り継がれてきました。
彼は、線路や駅舎といった目に見えるインフラの背後に、無数の人々の努力や友情、そして互いを信頼し合う姿があったことを知ります。歴史的な鉄道プロジェクトを通じて、中国とアフリカの国々がどのように支え合ってきたのかを学ぶ中で、国境を越えた連帯の意味を実感していきました。
本当のエンジンは、人と人とのつながり
TAZARA鉄道の物語に触れたアユブさんは、進歩を動かす本当のエンジンは技術やお金ではなく、人と人とのつながりだと語ります。鉄道が地域にもたらしたのは物流や経済効果だけではなく、文化や価値観の交流でもあったからです。
彼のメッセージをまとめると、次の三つに集約できます。
- 相手の立場に立って考え、まずは話を聞くこと
- 短期的な利益ではなく、長期的な信頼関係を重視すること
- 若い世代が国や地域を超えて学び合い、協力の経験を共有すること
こうした当たり前に見える姿勢が、対立よりも協力を選ぶ国際社会をつくる土台になると、アユブさんは強調します。
2025年の私たちへの問いかけ
2025年の今、世界のニュースでは分断や対立が強調されることが少なくありません。その中で、タンザニアから中国へと学びの旅に出た一人の学生が語るUbuntuの物語は、別の可能性を静かに示しています。
国と国との関係だけでなく、日常の職場や学校、オンラインのコミュニティでも、私たちは誰かと協力するか、対立するかを選び続けています。アユブさんの体験は、次のような問いを私たちに投げかけているように見えます。
- 自分の行動は、周りの人を支え、共に前に進む方向につながっているか
- 異なる背景を持つ相手と出会ったとき、恐れではなく好奇心で向き合えているか
- インフラや技術の発展を、人と人を結ぶために生かせているか
まとめ: UN@80から始まる次の80年へ
UN@80という節目に紹介されたアユブ・ダミアニ・テウェレイスさんの旅は、中国とタンザニアの協力の歴史と、Ubuntuという思想を通じて、グローバル協力の原点を思い出させてくれます。
国際ニュースとしてこの物語を読むことは、同時に、自分自身がどのようなつながりをつくりたいのかを見つめ直すきっかけにもなります。次の80年をより平和で公正なものにしていくために、私たち一人一人がどのようにUbuntuの精神を実践できるのか。静かに、しかし確かに問われているのかもしれません。
Reference(s):
UN@80: Tanzanian student's journey to China reveals a powerful lesson
cgtn.com








