天津SCOサミット報道拠点の舞台裏 3000人記者を支えたメディアセンター video poster
2025年8月31日から9月1日にかけて、中国・天津市で上海協力機構(SCO)サミットが開かれました。その舞台裏で、世界各地から集まった約3000人の記者を受け入れたのが、専用のメディアセンターです。ロボットとの対話体験や無形文化遺産のブース、そして大量のコーヒーまで、国際ニュースの現場を支えた空間を振り返ります。
天津SCOサミットとメディアセンターの役割
上海協力機構(SCO)サミットのような大規模な国際会議では、首脳や閣僚が議論する会場と同じくらい重要なのがメディアセンターです。2025年の天津サミットでは、会期に合わせて専用の報道拠点が整えられ、記者たちの「臨時のホーム」として機能しました。
ここから発信された記事や映像が、世界中のニュースサイトやテレビ、SNSに流れていきます。私たちがスマートフォンで何気なく目にする1本のニュースの背後に、こうした大規模な仕組みがあることをあらためて意識させられます。
3000人の記者が集う「ホームベース」
天津のメディアセンターには、約3000人の記者が世界各地から集まりました。短い会期のあいだ、ここが仕事場であり、休憩場所であり、情報交換のハブにもなりました。
メディアセンターには、例えば次のような役割があります。
- ニュース原稿の執筆・編集を行うワークスペース
- 映像の編集や配信を行う拠点
- 記者会見やブリーフィングに参加するための集約拠点
- 取材の合間に記者同士が交流し、意見や情報を交わす場
時間との勝負が続く国際会議では、こうした環境が整っているかどうかが、ニュースの質やスピードにも直結します。
ロボットが出迎える「未来型」メディアセンター
今回の天津サミットのメディアセンターの特徴の一つが、最先端のロボットとのインタラクションです。会場内には、未来感のあるロボットが配置され、記者たちとコミュニケーションを取る仕掛けが用意されました。
ロボットとのやり取りは、単なる話題づくりにとどまりません。テクノロジーやイノベーションに力を入れている開催都市の姿勢を、記者たちに直接体感してもらう場にもなります。国際ニュースの現場そのものが、一種のショーケースとして機能しているとも言えます。
無形文化遺産を体験できるエリア
もう一つの特徴が、無形文化遺産をテーマにした体験エリアです。無形文化遺産とは、伝統芸能や民俗行事、工芸技術など、形には残りにくいものの、地域の歴史や精神を伝えてきた文化のことです。
メディアセンター内には、こうした無形文化遺産に触れられるコーナーが設けられ、取材の合間に記者たちが伝統文化に親しめる工夫がなされました。ニュースを伝える側に、開催地の文化的な背景を肌で感じてもらうことで、報道の切り口にも自然な広がりが生まれます。
記者を支える大量のコーヒーと「スピリチュアルコーヒー」
国際会議のメディアセンターに欠かせないものの一つが、コーヒーです。早朝から深夜まで続く取材と締め切りのプレッシャーの中で、カフェインは文字どおりの「ライフライン」となります。
天津のメディアセンターでも、記者向けに大量のコーヒーが用意されました。中でも印象的なのが、スピリチュアルコーヒーと呼ばれるユニークなメニューです。忙しさで疲れた体と心を少しでも和ませようという、遊び心あるネーミングだと受け取ることもできます。
ニュースを読む側からすると見えにくい部分ですが、こうした細かな配慮が取材現場の雰囲気を和らげ、結果として報道の質にも影響していきます。
ニュースの「裏側」を意識してみる
私たちはふだん、国際ニュースを「結果」だけで受け取ることが多いのではないでしょうか。誰が何を発言したか、どんな合意があったかといった情報だけを追っていると、そのニュースがどのような現場から、どのような環境で届けられているのかは見えにくくなります。
天津のSCOサミットのメディアセンターは、テクノロジー(ロボット)、文化(無形文化遺産)、そして日常的なケア(コーヒー)が組み合わさった「総合的な取材基盤」として設計されていました。国際会議のニュースに触れるとき、こうした裏側の存在に少し思いを巡らせてみると、ニュースの見え方も変わってくるかもしれません。
これからの国際会議へのヒント
2025年の天津サミットのメディアセンターは、取材環境の整備だけでなく、記者の体験価値を重視した設計が印象的でした。最先端のロボットや文化体験スペース、ユニークなコーヒーの提供といった工夫は、ニュースを伝える人をどう支えるかという問いに対する一つの答えとも言えます。
今後開かれる国際会議でも、こうした取り組みが一つのモデルとして参照されていく可能性があります。スマートフォン越しに国際ニュースを受け取る私たちにとっても、その裏側にある場づくりや人への配慮に目を向けることは、ニュースとの付き合い方を少し豊かにしてくれそうです。
Reference(s):
cgtn.com








