中国、世界最大の26MW洋上風力タービンを設置 video poster
中国で、単機容量が世界最大とされる26メガワットの洋上風力タービンが設置されました。1基で年間1億キロワット時の電力を生み出すとされるこの巨大設備は、中国の洋上風力発電と再生可能エネルギー政策の新たな節目となりそうです。
世界最大の洋上風力タービンとは
今回設置されたのは、出力26メガワットの洋上風力タービンです。単機の発電容量とローター直径の両方で、2025年現在、世界最大級とされています。
製造を手がけたのは、中国のメーカーであるDongfang Electric Wind Powerです。同社によると、このタービンには3万点以上の部品が使われており、高さは約200メートル、風車の羽根が描く円の面積は7万7000平方メートルに達します。
主なスペックと特徴
公表されている情報から、この洋上風力タービンの特徴を整理すると次のようになります。
- 単機出力は26メガワット
- 高さは約200メートルの超大型構造
- ローター掃引面積は7万7000平方メートル
- 使用される部品は3万点超
- 海洋環境向けの高い耐食性を持つ設計
- 台風に対応した耐風技術を搭載
- 送電網への接続後、年間1億キロワット時を発電可能とされる
- その電力量は約5万5000世帯分の年間消費に相当
- 設計から製造まで、すべて国内で完結した国産プロジェクト
大型化とともに風車1基あたりの発電量が増えることで、同じエリアでもより多くの電力を生み出せるようになります。一方で、設計や製造、保守には高度な技術と品質管理が求められます。
年間1億キロワット時はどれくらいの規模か
このタービンは、送電網に接続されると年間1億キロワット時の電力を供給できるとされています。これは約5万5000世帯の年間消費電力に相当する規模です。
言い換えれば、都市の一つのエリアや中規模の地方都市の家庭用電力を、ほぼ1基の風力タービンでまかなえる計算になります。こうした大型設備が複数運転することで、都市や産業を支える再生可能エネルギーの比率を一気に高めることができます。
洋上風力が注目される理由
洋上風力発電は、陸上に比べて次のような利点があるとされています。
- 海上は風が強く安定しやすく、発電効率を高めやすい
- 大規模な設備でも、陸上より景観や騒音の影響を抑えやすい
- 人口や産業が集中する沿岸部の近くで発電でき、送電の面でも有利になりやすい
一方で、塩害や強風、台風など過酷な環境にさらされるため、高度な耐食技術と耐風設計が不可欠です。今回のタービンには、まさにこうした海洋環境向けの技術が盛り込まれているとされます。
国産設計・製造の意味
今回の26メガワット級タービンは、設計から製造まで、すべて国内で完結した国産プロジェクトとされています。
これは、単に一つの設備が完成したという話にとどまりません。
- 超大型風車を支える設計力やシミュレーション技術
- 高精度な製造・組み立てを可能にする産業基盤
- 海洋環境や台風に対応する材料・制御技術
こうした要素が、国内のサプライチェーンとして積み上がっていることを示す動きでもあります。大型タービンが実際の海上で安定して稼働し、実績を重ねれば、将来の輸出や国際プロジェクトへの参加にもつながる可能性があります。
エネルギー転換とアジアの動き
再生可能エネルギー、とくに洋上風力は、アジア各国や地域でも注目が高まっています。その中で、中国が世界最大級のタービンを実際に設置した意味は小さくありません。
今回のプロジェクトは、次のような観点で国際社会からも注目されそうです。
- 大容量タービンによる発電コストの低減がどこまで進むか
- 台風常襲地域での洋上風力の安全性や信頼性をどう確保するか
- 送電網や蓄電技術と組み合わせた安定電源としての運用モデル
アジア太平洋地域では、電力需要の伸びと脱炭素化の両立が大きなテーマとなっています。今回のような大型プロジェクトは、その一つの方向性を示す事例ともいえます。
これからの注目ポイント
この26メガワット級洋上風力タービンをめぐっては、今後次のような点が注目されます。
- 送電網への接続後、想定どおりの年間1億キロワット時を安定的に発電できるか
- 台風や異常気象の際の運転実績や安全対策
- 同規模、あるいはさらに大型のタービンが連続して導入されるかどうか
巨大な一基の風車は、単なる技術の見せ場ではなく、エネルギー政策や産業競争力、気候変動対策の交差点にあります。今後の運転状況や、同様のプロジェクトの広がりに注目が集まりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








