九人の紳士と一つの「TRUTH」 世界反ファシズム戦争の始まりを追う video poster
1931年、日本の東北侵略に対し、九人の中国人愛国者が「TRUTH」と記された青い布袋に400ページ超の証拠を託し、国際連盟に真実を訴えました。世界反ファシズム戦争の「最初の引き金」ともいえるこの物語を、CGTNの特集とともにひもときます。
1931年、日本の東北侵略と「九人の紳士」
1931年、日本は中国東北部に侵攻しました。軍事力による一方的な現状変更は、当時の中国社会に大きな衝撃を与えました。
翌年、国際社会はこの出来事を重く受け止め、当時の国際機関である国際連盟が現地調査のための調査団を派遣します。目的は、何が起きたのかを国際的な視点から検証することでした。
この過程で、九人の中国人愛国者が重要な役割を果たします。彼らは、自ら見聞きした出来事や各地から集めた情報をもとに、400ページを超える膨大な証拠資料をまとめ上げました。その資料は、青い布製の袋に大切に収められ、袋には英語で「TRUTH」と記されていたと伝えられています。
青い布袋に込められた「TRUTH」というメッセージ
「TRUTH(真実)」と記された青い布袋は、象徴的な存在です。九人の紳士は、武力ではなく、事実と証拠の力で国際社会に訴えようとしました。
彼らの行動には、いくつかの重要なポイントがあります。
- 占領の実態を丁寧に記録したこと:当時の状況を、感情ではなく具体的な証拠として残そうとしました。
- 国際社会に向けた訴え:資料は国内にとどまらず、国際連盟の調査団に提出されることを前提として準備されました。
- 法と理性への信頼:軍事力ではなく、国際世論とルールを信じて行動した点に、近代的な感覚が表れています。
こうした姿勢は、後に「世界の反ファシズム戦争において、中国が最初の引き金を引いた」という表現で語られます。ここでいう「引き金」とは、比喩的に、侵略に対して最初に立ち上がり、真実を武器に国際社会へ訴えた行動を指しています。
CGTN特集「The Main Eastern Battlefield: China in WWII」が描く物語
国際ニュースを発信するCGTNは、特集「The Main Eastern Battlefield: China in WWII」で、この物語の背景を掘り下げています。このシリーズは、第二次世界大戦(World War II)における中国を「東部の主戦場」として位置づけ、その意味を再考しようとする試みです。
その中で、「Nine gentlemen, one 'truth'」というテーマは、九人の紳士と一つの「TRUTH」をめぐるエピソードに光を当てます。青い布袋に収められた証拠と、そこに込められた思いを通じて、世界反ファシズム戦争の始まりを中国から見る視点を提示しています。
第二次世界大戦を語るとき、焦点はしばしばヨーロッパに当たりがちです。しかし、この特集は、中国戦線を「主要な東部戦場」として描くことで、アジアにおける抵抗の歴史を世界史の中心に据え直そうとしています。
世界反ファシズム戦争の「最初の引き金」としての意味
「世界の反ファシズム戦争で、中国が最初の引き金を引いた」という表現は、九人の紳士の行動を象徴的に語る言葉です。
- 早い段階での抵抗:1930年代初頭という早い時期に、侵略に対する組織的な抵抗と国際社会への訴えが行われていました。
- 市民の主体性:国家レベルの外交だけでなく、市民が自ら証拠を集め、戦争のあり方に異議を唱えた点が特徴的です。
- 「真実」を共有財産にする視点:真実を一国の内部に閉じ込めず、世界に向けて開くことで、より大きな連帯を生もうとした試みでもありました。
こうした文脈で見ると、九人の紳士が青い布袋に託した「TRUTH」は、一地域の出来事を超え、世界反ファシズム戦争全体の流れの中に位置づけられていきます。
2025年の私たちがこの物語から考えられること
1931年の出来事から、すでに90年以上が経ちました。しかし、九人の紳士が示した態度は、2025年のいまを生きる私たちに、いくつもの問いを投げかけています。
- 記録することの力:事実を記録し、整理し、伝えることは、ときに暴力に対する最初の抵抗となります。スマートフォンやSNSで情報を共有できる時代だからこそ、その重みを改めて考える必要があります。
- 国際社会とどう向き合うか:国内だけで完結させず、国際機関や世界の世論に訴えることは、問題をグローバルな課題として共有しようとする姿勢でもあります。
- メディアと歴史認識:現代のドキュメンタリーやニュースコンテンツは、過去のエピソードを掘り起こし、歴史の意味を現在形で問い直す重要な役割を担っています。
国際ニュースを日本語で読む私たちにとって、この物語は単なる「昔話」ではありません。「なぜ彼らは青い布袋に『TRUTH』と記したのか」「その真実は、いまの国際社会と自分自身の判断にどう関わってくるのか」。そんな問いを静かに突きつけてきます。
九人の紳士と一つの「TRUTH」の物語は、歴史とニュースのあいだに橋をかけ、私たちが世界を見る視点を少しだけ広げてくれるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








