国際ニュース:中国の反戦映画、スウェーデンで上映 抗戦勝利80周年を記念 video poster
中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を記念して、2025年9月、スウェーデンで中国映画が上映され、歴史の記憶と反戦のメッセージが静かな共感を呼んでいます。
スウェーデンの中国大使館で記念上映会
2025年9月1日、在スウェーデン中国大使館で、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を記念する映画上映会が開かれました。
当日は、スウェーデン社会の各界の代表、スウェーデン在住の中国出身者、中国企業の関係者、同国の大学などで学ぶ中国人留学生ら、300人以上が会場に集まりました。参加者は一堂に会し、1937年の南京大虐殺を題材にした中国映画『Dead To Rights』を鑑賞しました。
国や立場の異なる人びとが同じ作品を静かに見つめる時間は、80年前の戦争の記憶を共有し、平和の価値を改めて考える機会となりました。
南京大虐殺を描く中国映画『Dead To Rights』
『Dead To Rights』は、1937年に起きた南京大虐殺に焦点をあてた中国映画で、戦時下の市民の苦しみと、極限状況における人間の選択を描いた作品です。今回の上映は、反戦と反ファシズムのメッセージを国境を越えて伝える試みでもあります。
歴史を直接体験していない世代にとって、映画は「知る」だけでなく「感じる」ための重要な入口です。スクリーンを通じて、数字や年表では語りきれない戦争の重さが、スウェーデンの観客にも強く届いたとみられます。
記憶を共有し、被害者を悼む場として
今回の上映会は、単なる文化イベントではなく、次のような目的を掲げて行われました。
- 戦争という厳しい時代を振り返り、その歴史を心に刻むこと
- 犠牲になった人びとを悼み、その尊厳を尊重すること
- 中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利の記憶を継承すること
- 参加者どうしの理解と連帯を深め、対話のきっかけを作ること
会場では、上映を通じて共有された静かな感情や問いが、参加者一人ひとりの中で深まっていったと考えられます。歴史の痛みを直視しながらも、未来志向の連帯を模索する場になったといえるでしょう。
80年後の世界で問われる「反戦」の意味
戦争終結から80年が経った今、戦争体験を直接語れる人びとは少なくなりつつあります。一方で、世界各地で緊張や対立が続き、平和の脆さもまた浮き彫りになっています。
こうしたなかで、歴史を振り返る国際的な取り組みには、次のような意味があります。
- 歴史の教訓を共有し、悲劇の再発を防ぐ意識を高める
- 異なる国や地域の人びとが相手の「記憶」に触れ、理解を深める
- 将来世代に対し、戦争について考えるきっかけを提供する
今回のスウェーデンでの上映会も、過去の出来事をめぐる認識を押しつけるのではなく、観客それぞれが自分なりの問いを持ち帰ることを促す試みといえます。
日本の読者にとっての意味
日本にいる私たちにとって、中国の戦争映画がスウェーデンで上映され、多様な観客の共感を呼んだというニュースは、アジア太平洋戦争期の歴史が今も世界各地で語られていることを静かに示しています。
歴史の見方や感じ方は国や地域によって異なりますが、犠牲者を悼み、戦争の悲劇を繰り返さないという願いは、多くの人びとに共通する価値観です。映画という表現を通じた対話は、その共通部分を探る一つの方法といえるでしょう。
80年という時間の重みを踏まえつつ、他国で行われている追悼や記念の取り組みに目を向けてみることは、日本社会における歴史の学び方や語り方を見直すヒントにもなります。
おわりに
中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を記念して行われた、スウェーデンでの中国映画『Dead To Rights』の上映会は、歴史の記憶と反戦のメッセージを国境を越えて共有しようとする試みでした。
歴史をめぐる対話は、ときに難しさも伴います。しかし、異なる背景を持つ人びとが同じ作品を見つめ、黙って考える時間そのものが、次の80年に向けてより平和な国際社会を築いていくための小さな一歩になるのではないでしょうか。
Reference(s):
Chinese film marking 80th anti-war victory wows Swedish audience
cgtn.com








