重慶の世界スマート産業博2025で存在感増すスマート農業とAI video poster
先ごろ中国南西部の重慶市で開かれた4日間の国際見本市「World Smart Industry Expo 2025」では、AIを活用したスマート農業ソリューションが大きな注目を集めました。
600社超が集結した国際見本市で「農業DX」が主役に
World Smart Industry Expo 2025は、中国本土と海外から600社以上の企業が参加したスマート産業の見本市です。製造業や物流、ヘルスケアなど幅広い分野の最新テクノロジーが紹介されるなか、とりわけ存在感を示したのがスマート農業関連の展示でした。
会場では、農地の状態をデジタルデータとして把握し、AIが最適な運用を提案する「スマートファーミング(スマート農業)」が、次世代の成長分野として位置づけられていました。
AI搭載スマート農業プラットフォームとは
今回の博覧会のハイライトとなったのが、AIを搭載したスマート農業プラットフォームです。農地に設置したセンサーやカメラが集めた情報をもとに、以下のような機能を一体的に提供します。
- 土壌の水分量や養分状態を常時モニタリング
- データに基づき、かん水(灌漑)や施肥のタイミングと量を最適化
- 害虫の発生や病気の兆候を検知し、効率的な防除につなげる
こうした仕組みにより、農家は経験や勘だけに頼らず、データとAIの分析に基づいて日々の営農判断を行うことができるようになります。
スマート農業がもたらす3つのメリット
1. 水と肥料を「必要なときに必要な分だけ」
土壌の状態をリアルタイムで把握することで、水や肥料を「とりあえず多めに撒く」といった従来型のやり方から脱却できます。過不足の少ない管理は、収量や品質の安定化だけでなく、コスト削減や環境負荷の軽減にもつながります。
2. 害虫・病気の早期発見でロスを減らす
カメラやセンサーを使って作物の状態を常に見守ることで、害虫被害や病気の初期段階を捉えやすくなります。AIが画像やデータを分析し、異常の兆候を通知することで、被害が拡大する前に対策を打つことが可能になります。
3. 人手不足への対応と技術の継承
世界各地で農業の人手不足や高齢化が課題となるなか、経験に頼っていた判断をシステム化することは、技術の継承にもつながります。スマート農業プラットフォームが作業手順や判断の根拠を可視化することで、新しく農業に入る人でも品質を保ちやすくなることが期待されます。
中国発スマート農業は国際競争の新たな焦点に
600社以上が集まったWorld Smart Industry Expo 2025で、スマート農業が大きな存在感を示したことは、農業分野がデジタル技術の重要な「実験場」になりつつあることを物語っています。
気候変動への対応や食料安全保障の観点からも、限られた資源をいかに効率よく使うかは世界共通の課題です。中国本土で進むAI活用の取り組みは、日本を含む各国・地域の農業政策やビジネス戦略にも、今後少なからぬ影響を与えていきそうです。
私たちの暮らしとどうつながるか
スマート農業は、一見すると現場の農家向け技術のように見えますが、最終的には「安定した価格で安全な食料が届くかどうか」という形で、私たちの毎日の食卓にも関わってきます。
World Smart Industry Expo 2025で示されたのは、「農業=ローテク」というイメージから、「農業=データとAIを駆使する産業」へと変わりつつある現在地です。今後、他の国や地域でどのようなスマート農業の取り組みが生まれ、連携していくのかも、引き続き注目していきたいテーマです。
Reference(s):
Smart agriculture shines at World Smart Industry Expo 2025 in Chongqing
cgtn.com








