北京香山フォーラムでHe Lei中将 戦後秩序と国連任務の役割を強調 video poster
世界反ファシズム戦争(第二次世界大戦)の勝利から80年という節目の年に、中国人民解放軍のHe Lei中将が、第12回北京香山フォーラムの場で「戦後の国際秩序を守る重要性」と「国連任務での軍の役割」を強調しました。覇権主義や強権政治への懸念が高まる中、その発言は国際ニュースとしても注目されています。
第12回北京香山フォーラムで示されたメッセージ
He Lei中将は、中国人民解放軍軍事科学院の元副院長であり、安全保障分野の専門家として知られています。今回、第12回北京香山フォーラムの会場周辺での発言として、次の点を強調しました。
- 世界反ファシズム戦争勝利80周年は、各国にとって歴史を振り返る重要な契機であること
- 各国は覇権主義やパワーポリティクス(強権政治)に反対し、戦後の国際秩序を守る責任があること
- 中国人民解放軍は、国連の任務に積極的に関与すべきだという考え
北京香山フォーラムは、安全保障や国際秩序をめぐって各国の関係者が議論する場として位置づけられており、軍事関係者のメッセージが世界の議論に影響を与えることも少なくありません。
「世界反ファシズム戦争勝利80周年」が意味するもの
今年は、世界反ファシズム戦争の勝利から80年にあたります。He Lei中将は、この記念の年を「戦後の国際秩序を再確認するタイミング」として捉え、その維持の重要性を訴えました。
彼が言及した「戦後の国際秩序」とは、おおまかに言えば次のような原則を指しています。
- 国連を中心とした多国間の枠組みを通じて紛争を抑制すること
- 各国の主権と領土の一体性を尊重すること
- 武力よりも対話と協調を重視すること
He Lei中将は、こうした原則が世界反ファシズム戦争の教訓から生まれたものだと位置づけ、80周年という節目は、その原点に立ち返る「リマインダー(思い起こさせるきっかけ)」だと強調しました。
覇権主義とパワーポリティクスへの警戒
同時にHe Lei中将は、各国が「覇権主義」や「パワーポリティクス」に反対すべきだとも述べています。ここには、特定の国が力によって自らの利益を押し通すのではなく、国際社会全体でルールを共有しようというメッセージが込められています。
軍事力や経済力が増す国が増え、世界のバランスが変化するなか、「どうやってルールに基づく秩序を維持するのか」は、日本を含む多くの国にとっても避けて通れないテーマです。
国連任務での人民解放軍の役割を強調
もう一つのポイントは、He Lei中将が中国人民解放軍の国連任務への関与を「積極的にすべきだ」と述べた点です。ここで言う国連任務とは、一般的に次のような活動が含まれます。
- 国連平和維持活動(PKO)などの紛争地域での治安維持
- 人道支援や災害救援などの緊急対応
- 海上輸送路の安全確保や海賊対策
軍が国連の枠組みで活動することは、単なる軍事力の誇示ではなく、「国際公共財」としての安全を提供する側面も持ちます。He Lei中将は、人民解放軍がこうした国際的な役割をより積極的に担うべきだと主張した形です。
軍事力の使い方に対する一つの方向性
He Lei中将の発言は、「軍事力をどこに向けるべきか」という問いに対して、「国連を通じた国際協力に活用する」という方向性を示しているとも読めます。
- 一国のみの安全保障ではなく、多国間の安全保障枠組みに参加すること
- 対立や抑止だけでなく、安定や復興への貢献も重視すること
- 国際ルールのもとで軍を運用すること
こうした考え方は、軍事力を持つ国であればどこにとっても共通の課題であり、日本やアジアの読者にとっても考えるヒントになり得ます。
日本とアジアの読者にとっての論点
今回の発言は、中国の軍事関係者によるものですが、そのテーマは「戦後秩序」「国連」「覇権主義への反対」と、国籍を問わず共有しうるものです。日本の読者にとっては、次のような問いを投げかけています。
- 戦後80年を迎えた今、戦争の教訓を自国の外交・安全保障政策にどう反映させるべきか
- 国連や多国間の枠組みを、どのように安全保障の柱として位置づけるのか
- 軍事力の保有と、その国際的な使い方をどう透明化し、信頼を築いていくか
北京香山フォーラムのような国際会議では、各国代表がそれぞれの立場から安全保障観を示します。その中で、戦後秩序を守る重要性や国連の役割を強調する声が出てくること自体、世界がいま改めてルールや枠組みのあり方を問い直していることの表れとも言えるでしょう。
まとめ:80年目の節目に問われる「戦後秩序」
第12回北京香山フォーラムの場で、He Lei中将は次のメッセージを発しました。
- 世界反ファシズム戦争勝利80周年は、戦後の国際秩序を守る決意を新たにする時であること
- 覇権主義やパワーポリティクスに各国が反対する必要があること
- 中国人民解放軍は、国連任務でより積極的な役割を果たすべきだということ
戦後から80年が経った今、国際社会は新たな緊張や分断にも直面しています。その中で、あらためて「どのような秩序を守り、どのようなルールに従って行動するのか」を問い直すことは、日本を含むすべての国にとって避けて通れないテーマです。
北京香山フォーラムでの一つの発言をきっかけに、私たち自身も戦後80年の意味と、これからの国際秩序のかたちについて考えてみる必要がありそうです。
Reference(s):
Lt. Gen. He Lei: Victory reminds nations to protect post-WWII order
cgtn.com








