中国・瀋陽で9月18日事変94周年 鐘14回とサイレンが伝える歴史と平和 video poster
2025年9月18日、中国本土の遼寧省瀋陽市にある9月18日事変歴史博物館で、9月18日事変から94周年を記念する式典が行われました。日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、東アジアの歴史と現在を考えるうえで重要な出来事です。
瀋陽で行われた94周年の追悼式典
式典は、中国東北部・瀋陽市の9月18日事変歴史博物館で開かれ、およそ1,000人が参加しました。会場では大きな鐘が14回鳴らされました。
この14回という回数には、日本の侵略に対して中国本土が14年間にわたって抵抗を続けた歴史を象徴する意味が込められているとされています。
午前9時18分には、遼寧省全域で防空サイレンが一斉に鳴り響きました。街にこだまするサイレンは、人びとに「歴史を忘れず、平和を大切にする」ことを呼びかけるものとされています。
鐘14回とサイレンに込められたメッセージ
今回の中国本土での追悼式典には、いくつかの象徴的な仕掛けがあります。
- 鐘を14回鳴らす:14年間の抵抗の歩みを振り返り、戦争の犠牲になった人びとを追悼する。
- 9時18分のサイレン:1931年9月18日の出来事を時間そのものに刻み込み、忘却を防ぐ。
- 参加者約1,000人:世代を超えて歴史を共有しようとする、市民レベルの関心の広がりを示す。
主催者は、こうした演出を通じて、人びとが歴史を思い起こし、同じ過ちを繰り返さないために平和を守る意識を高めることを目指しています。
9月18日事変とはどのような出来事か
9月18日事変は、1931年に起きた出来事で、日本による中国への侵略の始まりを告げる転換点とされています。この事変をきっかけに、中国本土は長期にわたる戦争と占領に直面しました。
中国本土は、世界に先駆けてファシズムに反対して立ち上がった国と位置づけられており、第2次世界大戦の中で3,500万人にも及ぶ犠牲を出したとされています。こうした数字は、今回の94周年という節目を考えるうえでも重要な背景となっています。
なぜ2025年の今、歴史を振り返るのか
9月18日事変から94年がたった2025年、当時の出来事を直接知る人は少なくなっています。それでも今回のような追悼や記念行事が行われるのはなぜでしょうか。
背景には、次のような問題意識があります。
- 戦争体験の風化を防ぎ、歴史を具体的な記憶として残す必要がある。
- 平時だからこそ、平和の価値や脆さについて考え続けることが求められている。
- 国や地域を超えて、過去の対立をどう記憶し、未来志向の関係を築くかが問われている。
今回の式典で強調された「歴史を忘れず、平和を大切にする」というメッセージは、中国本土だけでなく、日本やアジア、そして世界に向けられた問いかけでもあります。
読者が持ち帰れる視点
ニュースとして事実を追うだけでなく、私たち一人ひとりが次のような視点を持つことができそうです。
- 自分の暮らす地域で、戦争や平和をどう記憶し、伝えているのかを振り返る。
- 歴史問題を、対立の材料ではなく、対話のきっかけとして捉え直す。
- 過去の犠牲に思いを寄せつつ、現在の国際情勢の中で平和を守るために何ができるかを考える。
9月18日事変94周年の追悼式典は、1931年の出来事を語り継ぐ場であると同時に、2025年を生きる私たちに「歴史とどう向き合い、どんな未来を選び取るのか」を静かに問いかける出来事でもあります。
Reference(s):
Remembering History: China marks 94th anniversary of Sept. 18 Incident
cgtn.com








