中国で最大級のヒューマノイド訓練センター開設 物流ロボット1億体時代へ video poster
中国で最大級とされるヒューマノイドロボットの訓練センターが最近開設され、倉庫業務を想定した実践的なトレーニングが本格的に始まっています。2045年までに1億体のヒューマノイドが各産業で稼働し、市場規模は約10兆元(約1.4兆ドル)に達するとの見通しも示されており、2025年の今、人とロボットが働く未来が一段と現実味を帯びてきました。
中国で開設された「ヒューマノイド訓練センター」とは
今回開設されたのは、中国で最大規模とされるヒューマノイドロボットの訓練センターです。およそ100体のヒューマノイドロボットが常時訓練に参加し、主に物流倉庫での作業を想定した動きを身につけています。
特徴的なのは、最新のVR(仮想現実)やモーションキャプチャー(人の動きをセンサーで捉える技術)を活用している点です。人の作業をそのままロボットに学習させることで、現場で必要な「体の使い方」を細かく再現しようとしています。
ロボットが身につける「倉庫スキル」
訓練センターでヒューマノイドロボットが目指しているのは、倉庫業務の一連の流れを自律的にこなせるようになることです。想定されている主なタスクは次の通りです。
- 空のコンテナや箱を元の位置に戻す
- さまざまな素材や商品の仕分け
- 商品の重さを量る計量作業
- 商品を箱に詰めるパッキング
- 箱詰めされた商品の梱包・整列
人にとっては単純作業に見えても、ロボットにとっては「物を落とさない」「ぶつからない」「決められた順番で動く」といった多くの条件を満たさなければなりません。ヒューマノイドロボットがこれらをこなせるようになれば、倉庫現場の自動化は一段と進むことになりそうです。
成功率95%が示す現在地
訓練センターのヒューマノイドロボットは、すでにいくつかの作業で95%という高い成功率を達成しているとされています。
- 空のコンテナを戻す
- 素材や商品の仕分け
- 商品の計量
- パッキング・箱詰め
95%という数字は、「ほとんどの場面で実用に耐えるレベルに近づいている」一方で、「残りの5%をどう埋めるか」という課題も残しているといえます。物流現場で求められるのは、長時間にわたる安定した運用です。小さなミスが積み重なると、納期や在庫管理に影響が出る可能性もあるため、現場で使える技術として定着させるには、さらに精度を上げる取り組みが続きそうです。
2045年に1億体、10兆元市場のインパクト
今回示されている見通しでは、2045年までに中国で1億体のヒューマノイドロボットが各産業に投入され、その市場規模は約10兆元(約1.4兆ドル)に達するとされています。2025年から見ると、およそ20年後の世界です。
もしこの規模でヒューマノイドが普及すれば、変化は物流にとどまりません。例えば、次のような分野への広がりも想定されます。
- 製造業でのライン作業や検査工程の補助
- 小売やサービス業でのバックヤード業務
- 危険区域での点検作業や設備保守
人手不足が課題となっている現場では、ロボットが単純で繰り返しの多い作業を担い、人はより判断やコミュニケーションが必要な仕事に集中する、という役割分担が進む可能性があります。
人とロボットが共に働く社会へ
ヒューマノイドロボットの大規模な導入は、効率化だけでなく、働き方や教育、都市設計など、社会全体にも影響を与えます。特に、次のようなポイントが今後の論点になりそうです。
- どの仕事をロボットに任せ、どの仕事を人が担うのかという役割設計
- ロボットと安全に協働するための職場ルールづくり
- ロボットと共に働く時代に必要となるスキルや教育
中国で進むヒューマノイドの実証は、日本を含む各国にとっても、大規模導入の現実的な姿を考えるうえで参考となるでしょう。技術の進展をどう活かし、人の生活や仕事の質を高めていくのか。2025年の今、20年後を見据えた議論が求められています。
私たちは何を大事にしたいか
ヒューマノイドロボットが当たり前に働く社会は、もはやSFの世界だけの話ではなくなっています。今回の訓練センター開設と2045年の大規模導入の見通しは、その現実味を強く印象づけるニュースといえます。
一方で、最終的に形を決めていくのは技術そのものではなく、それをどう使うかを選ぶ私たち人間です。効率やコストだけでなく、安全性や働く人のやりがい、社会全体の公平さなど、どの価値を優先するのかが問われていくでしょう。
中国で始まったヒューマノイドロボットの大規模訓練をきっかけに、読者のみなさん自身も「人とロボットが一緒に働く職場で、何を大事にしたいか」を一度考えてみるタイミングかもしれません。
Reference(s):
China opens largest humanoid training center preparing robots for real world
cgtn.com








