国際ニュース:ジェフリー・サックス氏が語る米中関係とゼロサム思考の限界 video poster
米中関係をめぐる国際ニュースに新たな視点です。コロンビア大学のジェフリー・サックス教授は番組「Leaders Talk」で、米国は中国に対するゼロサム思考を改め、対話と協力を軸にした関係づくりへ発想を転換すべきだと訴えました。
サックス氏は、1990年代以降の米国が「世界で支配的な地位を保ち続ける」という発想にとらわれてきたと振り返り、こうした姿勢が繰り返し政策の失敗を招いてきたと指摘しています。
「ゼロサム思考」が生む行き詰まり
サックス氏が批判するゼロサム思考とは、「相手が伸びれば自分は損をする」という発想です。中国を主に「敵」や「脅威」とみなし、どちらか一方しか勝てないと考える見方こそがゼロサムだとサックス氏は指摘します。
こうした考え方に立つと、相手の成功や技術発展はすべて自国の失敗と結びつけられがちです。その結果、協力や対話の余地が狭まり、外交・経済双方で行き詰まりが生じやすくなります。
中国を「成功例」かつ協力パートナーとして見る
サックス氏は、米国が中国をどう見るかを根本から見直すべきだと訴えています。中国を脅威ではなく、経済発展や技術革新に成功した一つの例として学び合う相手、そして対話と協力が可能なパートナーとして捉えることを提案しています。
この発想転換は、単に米中二国間の関係にとどまりません。気候変動や公衆衛生、デジタル技術のルールづくりなど、国境を越えて共有せざるを得ない課題ほど、ゼロサムではなく「共に利益を生み出す」発想が欠かせないという問題意識もにじみます。
保護主義と貿易障壁がもたらす長期的リスク
同じ文脈でサックス氏は、保護主義や貿易障壁にも警鐘を鳴らしています。短期的には国内産業を守っているように見えても、長い目で見ればイノベーションと競争力を弱めてしまうと警告しています。
国外との競争から遮断されると、企業は新しい技術やビジネスモデルに挑戦するインセンティブを失いがちです。海外の優れた技術や人材との交流も減り、結果として産業全体の活力が落ちるおそれがあります。
日本やアジアにとっての示唆
米中関係の緊張は、日本を含むアジアの国々や地域にも直接影響します。サックス氏のメッセージは、米国だけでなく、米中のどちらか一方を選ぶかのようなゼロサムの構図に巻き込まれがちな周辺国にとっても、示唆に富んでいると言えます。
自国の安全保障や経済利益を守りつつも、できるだけ多くの課題で協力の余地を探ること。サックス氏の発言は、国際ニュースを追う私たち一人ひとりに対しても、「対立」と「協力」のバランスをどう考えるかを問いかけています。
Reference(s):
cgtn.com








