モザンビーク大使が語る北京宣言30年と女性の権利のいま video poster
今年10月13〜14日に北京で開かれた女性に関する国際会合で、モザンビークの駐中国大使マリア・グスタヴァ氏が、約30年前の北京宣言と行動綱領の意義と、この30年で進んだ女性の地位向上について語りました。アフリカからの視点は、ジェンダー平等を考えるうえで日本の読者にとっても重要なヒントになりそうです。
北京で開かれた女性に関するグローバル・リーダーズ会合
国際ニュースとして注目されたのが、10月13〜14日に北京で開催された女性に関するグローバル・リーダーズ会合です。世界各地から政府関係者や外交団、国際機関の代表らが集まり、女性の権利とジェンダー平等の現状や今後の課題について議論しました。
中国の国際メディアであるCGTNが主催した円卓会議では、参加者がそれぞれの地域の経験を持ち寄り、政策づくりや国際協力のあり方を話し合いました。モザンビークの駐中国大使マリア・グスタヴァ氏も登壇し、アフリカ地域での変化や北京宣言の意味について、自身の経験を交えて語りました。
北京宣言と行動綱領が持つ意味とは
グスタヴァ大使が強調したのは、北京宣言と行動綱領が、今もなお世界の女性政策の共通言語であり続けているという点です。約30年前に合意されたこの枠組みは、教育、保健、政治参加、経済的エンパワーメントなど、女性の人生のあらゆる局面をカバーしています。
30年続く国際的な約束として
北京宣言と行動綱領は、単なる歴史的な文書ではなく、各国が進捗を振り返るための物差しとして機能してきました。グスタヴァ大使は、この枠組みがあるからこそ、モザンビークを含む多くの国々が、女性に関する政策や法律を段階的に整備してこられたと指摘しました。
特に、女性の権利を人権の一部として位置づける視点や、女性を受益者としてだけでなく、意思決定の主体として捉える考え方が広がったことは、この30年の大きな変化だといえます。
モザンビークの経験から見える30年の前進
グスタヴァ大使は、女性の地位向上がこの30年でどのように進んだかを、自国やアフリカ地域の経験を踏まえて紹介しました。具体的な数値こそ示されていませんが、次のような変化が積み重なってきたといいます。
- 教育へのアクセス拡大: 女子の就学機会が広がり、初等教育から高等教育まで学び続ける女性が増えてきたこと。
- 保健・医療の改善: 妊産婦の健康への支援や、基礎医療へのアクセス改善が女性と子どもの命を守ることにつながっていること。
- 政治・公共分野への進出: 議会や行政、外交の現場など、意思決定の場に女性が増えてきたこと。
こうした変化は、国ごとの取り組みだけでなく、北京宣言と行動綱領に沿った国際的な支援や、地域間の経験共有が後押ししてきたといえます。グスタヴァ大使が北京の場で経験を共有したこと自体が、その一つの象徴といえるでしょう。
それでも残る課題と、これからの30年
一方で、北京宣言から30年近くが経った今も、女性の権利を取り巻く課題は各地で続いています。経済的な格差、賃金の不平等、家庭内暴力や性暴力、気候変動や紛争がもたらす影響など、問題は複雑に絡み合っています。
グスタヴァ大使の発言からは、次のようなメッセージが読み取れます。
- 法制度を整えるだけでなく、日常生活や職場の慣行を変えることが重要であること。
- 教育やメディアを通じて、性別にとらわれない価値観を広める必要があること。
- アフリカとアジアなど、地域を越えた対話と協力が、今後さらに重要になること。
北京での会合は、これまでの30年を総括しつつ、次の30年をどのようにデザインするかを考えるきっかけでもあります。モザンビークをはじめとする国々の経験は、ジェンダー平等を推進しようとする世界の動きの一部であり、日本もそこから学べる点が少なくありません。
日本の読者への問いかけ: 自分たちの30年を振り返る
今回の国際ニュースは、日本の私たちにとっても他人事ではありません。同じ30年のあいだに、日本社会で女性の働き方や政治参加、育児と仕事の両立などはどこまで変わったでしょうか。
記事を読み終えた今、次のような問いを自分の周りにあてはめて考えてみることができます。
- 職場や学校で、意思決定の場に女性はどれくらいいるか。
- 家庭や地域で、ケアや家事の分担はどうなっているか。
- SNSやメディアで、女性や男性の役割を固定化する表現に無意識に慣れていないか。
北京での議論やグスタヴァ大使の発言は、こうした問いを世界規模で共有しようとする試みだといえます。国や地域が違っても、女性の権利とジェンダー平等というテーマは、私たち一人ひとりの生活と深くつながっています。
北京宣言と行動綱領から約30年。モザンビークの大使が北京で語った経験を手がかりに、日本からも次の30年に向けた一歩をどう踏み出せるのかを考えることが求められています。
Reference(s):
Mozambique diplomat on progress in women causes over 30 years
cgtn.com








