雪山の語り部:新疆でユキヒョウを見守る父子と地域の挑戦 video poster
中国北西部の新疆ウイグル自治区で、野生のユキヒョウが再び雪山に姿を見せはじめています。父と息子の写真家コンビと、地元の保護担当者たちが協力しながら、赤外線カメラや草原の再生を通じて、貴重な野生動物と人との共生を模索しているのです。
雪山に戻りつつあるユキヒョウの姿
今回の国際ニュースの舞台は、中国北西部の新疆ウイグル自治区です。この地域で、父子の写真家と自然保護の現場で働く人々が、ユキヒョウが野生で元気に暮らしている貴重な瞬間をカメラに収めました。
ユキヒョウは、険しい雪山に生きる大型のネコ科動物で、その姿を人が目にする機会は多くありません。だからこそ、野生で活動する姿が連続して記録されていることは、地域の生態系が少しずつ回復しているサインとして注目されています。
父と息子、「雪山の語り部」になる
この物語の中心にいるのは、現地で活動する父と息子の写真家コンビです。彼らはただ美しい写真を撮るだけでなく、雪山で何が起きているのかを伝える「語り部」の役割も担っています。
彼らは足跡をたどり、時間をかけて撮影ポイントを見極め、厳しい自然条件のなかでユキヒョウの姿を待ち続けます。同時に、地元の保護担当者や住民と連携しながら、記録した映像や写真を通じて、地域の豊かな野生動物を知ってもらう活動も行っています。
赤外線カメラが捉える「見えない時間」
今回の取り組みで大きな役割を果たしているのが、赤外線カメラです。人が近づきすぎると野生動物にストレスを与えてしまいますが、自動で撮影するカメラを設置すれば、その負担を大きく減らすことができます。
- ユキヒョウが通りそうな山道や稜線に赤外線カメラを設置する
- 夜間や人のいない時間帯の行動も自動的に記録する
- 集まった映像から、活動時間帯や行動パターンを把握する
こうしたデータは、ユキヒョウが好む場所や、人の活動と重なりやすいエリアを見極める手がかりになります。写真家の父子と保護担当者たちは、その情報をもとに、どこに人が入りすぎているのかを確認し、保護のあり方を話し合っています。
草原をよみがえらせ、人の活動を減らす工夫
ユキヒョウが安定して暮らすためには、えさとなる動物が草原で増え、山全体の生態系のバランスが保たれていることが重要です。そのため現地では、草原の回復や、重要な生息地での人の活動を減らす取り組みも進められています。
具体的には、過度に利用されてきた草地で植生を回復させたり、ユキヒョウが頻繁に出入りするエリアでは、人の立ち入りや開発を控えたりする動きが広がっています。地元の住民と関係当局が協力し、家畜の放牧ルートや、人が入り込む時間帯を調整することで、野生動物の「静かな時間」を確保しようとしているのです。
こうした地道な取り組みの積み重ねが、野生のユキヒョウが再び雪山で暮らしやすい環境につながりつつあります。
なぜ新疆のユキヒョウ保護が世界と日本にとって大事なのか
ユキヒョウのような高山の捕食者は、生態系のバランスを支える存在とされています。その姿が戻ってきているということは、山や草原の回復が進んでいる可能性を示すサインでもあります。
新疆ウイグル自治区で進むこうした自然保護の取り組みは、一つの地域の話であると同時に、地球規模の課題ともつながっています。生物多様性の保全や、気候変動の中で自然とどう共生するかは、日本を含む多くの国と地域が直面しているテーマだからです。
日本が学べる三つのポイント
- 地元住民と行政が「一緒に守る」仕組みをつくること
- 赤外線カメラのような技術を活用しつつ、自然への負荷を減らすこと
- 父子カメラマンのように、現場を記録し、物語として伝える市民の役割を重視すること
日本でも、ツキノワグマやイノシシとの共生、山里の再生など、自然と人の距離感を問い直す場面が増えています。新疆の雪山で進むユキヒョウ保護の物語は、私たちに「どのような関わり方なら、自然と人がともに生きられるのか」という問いを、静かに投げかけているように見えます。
父と息子、そして地域の人々が紡ぐユキヒョウの物語は、単なる美しい風景のニュースにとどまらず、これからの地球との付き合い方を考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








