中国で、視覚障害のある人が触って使える点字触地図が初めて大規模に公開されました。国際白杖の日(10月15日)を前に発表されたこの国際ニュースは、地理情報へのアクセシビリティを一歩進める試みとして注目されています。
国際白杖の日を前に、中国点字図書館で公開
国際白杖の日の前に、「Accessible Map of China(中国アクセシブルマップ)」と「Accessible Map of the World(世界アクセシブルマップ)」が、中国点字図書館でお披露目されました。同種の点字触地図としては、初めて大規模に公開された取り組みとされています。
これらのアクセシブルマップは、視覚障害のある人が手で触れながら地理情報を理解できるように設計されており、教室や図書館、地域の施設など、さまざまな場面での活用が期待されています。
デジタル点字印刷による「触れる地図」の特徴
今回の点字触地図は、デジタル点字印刷技術を用いて制作されました。この技術により、紙面上にさまざまな凹凸や模様を精密に再現し、触覚で読み取れる情報として配置しています。
- 中国地図では、隆起した線やテクスチャが省の境界や主要なランドマークを表現しています。
- 世界地図では、大陸と海洋が異なる触感で示され、触れるだけで大まかな世界の構造が分かるよう工夫されています。
- いずれの地図も、地理分野の国家基準と点字の規範に沿って制作されており、正確でインクルーシブな地理知識の伝達を目指しています。
視覚情報に頼らない設計を取り入れることで、地理を学ぶ入口そのものを広げる試みと言えます。
文化を「触って楽しむ」点字触図書も登場
同じ日に、Palace Museum と China Disabled Persons' Federation(中国障害者関連団体)は、点字触図書『Touch the Treasures of the Palace Museum』と『Touching Along the River During Qingming Festival』も発表しました。
これらの触図書は、触覚的な要素と文字情報を組み合わせることで、所蔵品や美術作品の魅力を視覚に頼らず伝えることを目指しています。視覚障害のある読者が文化や芸術に親しむきっかけとなるだけでなく、誰もが一緒に楽しめる学習ツールとしての役割も期待できます。
インクルーシブな学びと社会への一歩
点字触地図や点字触図書の公開は、視覚障害者向けのバリアフリー情報提供を広げる取り組みとして位置づけられます。アクセシブルな地図や教材が広がることで、次のような効果が見込まれます。
- 視覚障害のある子どもや大人が、地理や世界の構造を体系的に学びやすくなる。
- 旅行や移動のイメージを持ちやすくなり、日常生活や自立の後押しにつながる可能性がある。
- 学校や図書館、博物館でのインクルーシブ教育の教材として活用しやすくなる。
情報や文化資源へのアクセスを誰にとっても当たり前のものにしていくことは、インクルーシブな社会づくりの重要な土台です。中国で始まった今回の点字触地図と点字触図書の取り組みは、その方向に向けた静かだが意味のある一歩と言えるでしょう。
Reference(s):
China releases 1st batch of accessible maps for visually impaired users
cgtn.com







