ガザへの国際メディア立ち入り依然制限 停戦下でも続く閉ざされた境界 video poster
イスラエルとパレスチナの新たな大規模衝突から2年。停戦合意の第1段階が始まった今も、ガザへの出入り口の一つであるエレズ検問所(Erez crossing)から国際メディアが入れない状況が続いています。現場を再び訪れたCGTNの記者・陳慧慧(Chen Huihui)氏の取材は、「戦闘が一段落しても、情報への道はなお閉ざされたまま」であることを映し出しました。
停戦後も開かれない「道」
2023年、イスラエルとパレスチナの間で新たな大規模衝突が勃発した際、陳氏はガザの境界付近から状況を伝えていました。当時、ガザと外の世界を結ぶ道路のほとんどは封鎖され、現場にアクセスできるルートはごくわずかだったといいます。
それから2年がたった2025年、停戦合意の第1段階が発効したタイミングで、陳氏は再びガザ境界を訪れました。しかし、状況は大きく変わっていませんでした。ガザへの出入り口の一つであるエレズ検問所から、国際メディアは依然としてガザに入ることができず、「ガザへの道」は文字通り閉ざされたままだったのです。
国際メディアが現場に入れないということ
戦闘の最前線やその周辺地域に、国際メディアが立ち入れるかどうかは、私たちがニュースをどう理解するかに直結します。現場にアクセスできなければ、映像や証言は限られた経路に依存せざるを得ず、私たちが目にする情報も断片的になりがちです。
国際メディアの現場取材には、例えば次のような役割があります。
- 市民の生活や被害の実態を、第三者の視点から伝えること
- 当事者の主張を検証し、複数の声を並べて見せること
- 国際社会が議論し、判断するための材料を提供すること
しかし、ガザのように立ち入りが制限された地域では、こうした役割を十分に果たすことが難しくなります。今回、停戦合意の下でもエレズ検問所が国際メディアに開かれていないという事実は、戦闘の有無とは別に、「情報の戦い」が続いていることを示しているとも言えるでしょう。
見えにくいガザと、私たちの受け取り方
日本にいる私たちは、多くの場合、ニュース映像やSNSに流れる短いクリップ、国際機関や各国当局の声明などを通じてガザの状況を知ることになります。そこに、「現場に入れない」という制約が重なると、全体像をつかむことはいっそう難しくなります。
だからこそ、一つひとつの情報が「どこから」「どのような条件で」発信されているのかを意識することが重要になってきます。今回のように、国際メディアがエレズ検問所からガザに入れないという前提を知っておくだけでも、ニュースの見え方は少し変わってくるはずです。
デジタル時代のニュースとの向き合い方
スマートフォンで常にニュースに触れている私たちにとって、情報のスピードはかつてないほど速くなっています。一方で、現場へのアクセスが限られるほど、情報の「穴」や「見えない部分」も大きくなります。
ガザをめぐる報道に接するとき、次のような視点を持ってみるのも一つの方法です。
- どのメディアが、どの地点から取材しているのかを意識する
- 一つのニュースだけで判断せず、複数の報道を並べて読む
- 映像に映っていない人たちの生活や声に思いを巡らせる
閉ざされた境界が映し出すもの
2023年の衝突直後と、停戦合意の第1段階が始まった2025年。2つの時間をつなぐように、陳慧慧氏はガザの境界に立ち続けています。その彼女でさえ、エレズ検問所からガザに入ることができないという現実は、衝突の行方だけでなく、情報のあり方についても多くの問いを投げかけています。
境界が閉ざされている今だからこそ、私たち一人ひとりがニュースとの向き合い方を見直すことが求められているのかもしれません。ガザで何が起きているのか。それを「知ろうとする姿勢」自体が、遠く離れた場所にいる私たちにできる小さな一歩になります。
Reference(s):
International press still blocked from entering Gaza via Erez crossing
cgtn.com








