国連80周年と持続可能な開発を考える:中国の視点から video poster
2025年、国際連合は創設80周年を迎えます。これにあわせて中国の国際メディアCGTNが制作した特別シリーズ「The UN at 80: China's Perspective」の第2話「Development Goals」が、持続可能な開発と中国の環境分野での歩みを振り返りながら、「すべての人の開発」というテーマを掘り下げています。本稿では、その内容を手がかりに、国連と持続可能な開発を日本語でわかりやすく整理します。
国連80周年、「開発」をどう捉えるか
特集全体のテーマは「The UN at 80: Development for all」。国連が長年掲げてきた「開発」は、いまや単なる経済成長ではなく、「環境を守りながら、誰一人取り残さない」持続可能な開発へと軸足を移しています。国際ニュースの現場でも、気候変動、エネルギー転換、貧困削減といった課題は切り離せなくなりました。
第2話「Development Goals」では、国連が世界の持続可能な開発をどのように位置づけ、どのような具体的取り組みを通じて実現しようとしているのかが、中国の視点から丁寧に描かれます。現在の持続可能な開発目標(SDGs)につながる思想や歴史を振り返る構成になっている点が特徴です。
中国の視点から描く「Development Goals」
番組の中核にあるのは、王志家氏(元国連事務次長特別顧問)が、曲格平氏(国連環境計画・中国初代常駐代表)を自宅に訪ねるシーンです。二人は、1972年の「国連人間環境会議(ストックホルム会議)」に至るまでの道のりを振り返りながら、当時どのような議論が行われ、環境問題が国連の主要議題として位置づけられていったのかを語り合います。
ストックホルム会議は、国際社会が本格的に「環境」と「開発」の関係を議論し始めた象徴的な場でした。番組は、その歴史を当事者の記憶を通じてたどることで、現在の持続可能な開発議題が、長い時間をかけて積み重ねられてきたものであることを視聴者に伝えます。
ストックホルム会議から現在へ:環境と開発の接点
王志家氏と曲格平氏の対話では、1970年代当時、「環境を守ることが本当に開発の妨げになるのか、それとも長期的には開発を支えるのか」といった問いが、国連の場で激しく議論されていたことが紹介されます。環境保護は一部の先進国だけの関心事ではなく、途上国にとっても将来の発展と直結するテーマだという認識が、少しずつ共有されていきました。
番組は、この歴史的な議論の延長線上に、今日の持続可能な開発目標が位置づけられていることを示します。「Development Goals」というタイトルには、目標が単なる数字の羅列ではなく、こうした長い対話と試行錯誤の結果であるというメッセージが込められています。
中国の生態実践と世界への貢献
会話の中では、中国で積み重ねられてきた生態保護や環境対策の経験が、世界の持続可能な開発にどのように貢献しうるかも語られます。植林や砂漠化防止、再生可能エネルギーの拡大、都市における緑地の整備など、多様な取り組みが紹介され、中国の生態的な実践が国連の持続可能な開発議題と結びついていることが強調されます。
番組は、中国の取り組みを過度に誇張するのではなく、国連の枠組みの中で他国と経験を共有し、相互に学び合う一つの事例として描いています。とくに、環境と開発を同時に進めようとする姿勢が、途上国を含む多くの国や地域にとって参考になりうる点に光が当てられています。
私たちへの問いかけ:国連と自分事としてのSDGs
国連80周年という節目は、国際機関の歩みを振り返るだけでなく、「開発とは誰のためのものか」「将来世代に何を残すのか」を、私たち一人ひとりに問いかける機会でもあります。CGTNのシリーズは、中国の経験を切り口にしつつ、持続可能な開発をめぐる国連の歴史と現在を、多面的に見つめようとする試みだと言えます。
日本に暮らす私たちにとっても、エネルギー、食料、気候変動、防災といった課題は日常生活と切り離せません。国際ニュースを追うことは、「遠いどこかの話」を知ることではなく、自分たちの社会のこれからを考えるための材料を集めることに近づいています。国連80周年の今、「Development for all(すべての人の開発)」という言葉を、自分の言葉に引き寄せて考えてみるタイミングかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








