【国際ニュース】中国が世界初のグリーンアンモニア燃料証書 video poster
2025年、中国東北部・吉林省のプロジェクトが、世界で初めてグリーンアンモニア燃料の認証を受けました。エネルギー多消費産業の脱炭素をめぐる国際ニュースとして、今後の動きを左右しうる一歩です。
吉林省・大安市で世界初の認証
中国東北部、吉林省大安市で進められているプロジェクトが、風力発電と太陽光発電を利用して水素とアンモニアを製造し、そのアンモニアが再生可能な非生物由来アンモニア燃料として世界で初めて正式に認証されました。
この認証が発行されたことで、同プロジェクトから生まれるグリーンアンモニア製品は、環境価値が証明された燃料として国際市場に本格的に参入できるようになります。これにより、エネルギー多消費型の産業分野における低炭素化を後押しすることが期待されています。
グリーンアンモニアとは何か
アンモニアは、これまで主に化学肥料の原料として利用されてきましたが、近年は燃やしてエネルギーを取り出す燃料としても注目されています。従来型のアンモニアは化石燃料を使って製造されるため、製造過程で大量の二酸化炭素が排出されるという課題がありました。
一方で、グリーンアンモニアは、風力や太陽光などの再生可能エネルギーからつくった水素を原料に製造されます。今回、吉林省大安市のプロジェクトで認証された再生可能非生物由来アンモニア燃料は、こうしたグリーンアンモニアの代表例といえます。
エネルギー多消費産業へのインパクト
鉄鋼や化学、セメント、海運などの産業は、多くのエネルギーを消費し、二酸化炭素排出量も大きいことで知られています。これらの分野で排出量を大幅に減らすには、燃料そのものを低炭素化することが重要になります。
国際的に認められた認証付きのグリーンアンモニア燃料が市場に出回れば、企業は燃料の選択肢を広げながら、具体的な排出削減に取り組みやすくなります。環境規制が今後さらに強まることを考えると、こうした新しい燃料の普及は、企業の競争力を左右する要素になり得ます。
標準化と信頼性を高める認証の役割
今回のような燃料の認証制度は、単にクリーンとうたうだけでなく、どのようなエネルギー源から、どのようなプロセスでつくられたのかを第三者が確認し、証明する仕組みです。これにより、購入する側は環境価値を数字として把握しやすくなり、国や地域をまたいだ取引も行いやすくなります。
グリーンアンモニアのような新しい燃料は、国ごとに基準が異なると市場が分断されてしまいます。今回、世界初の証書が中国のプロジェクトに与えられたことは、将来の国際的なルールづくりを進めるうえでも、一つの試金石になるとみられます。
中国の再生可能エネルギー活用と地域の可能性
吉林省大安市のプロジェクトは、風力と太陽光という再生可能エネルギーを組み合わせ、燃料として利用できる形で貯蔵・輸送可能なアンモニアへと変換する試みです。再生可能エネルギーの出力は天候に左右されますが、アンモニアとして蓄えることで、必要なときに取り出せるエネルギーに変えることができます。
このような取り組みは、再生可能エネルギー資源に恵まれた地域の新たな産業機会にもつながります。電力としてだけでなく、燃料や素材として世界市場に送り出すことで、地域経済の活性化と脱炭素を同時に進める道が開かれます。
日本の読者が押さえておきたいポイント
日本を含む多くの国や地域で、アンモニアや水素を活用した脱炭素戦略が議論されています。今回の中国吉林省の事例は、その一歩先を行く具体例として注目する価値があります。
- グリーンアンモニアは、発電や産業用燃料として、二酸化炭素排出を抑える選択肢になり得ます。
- 国際的に通用する認証があることで、環境価値を見える化しながら取引することが可能になります。
- アジア域内でグリーン燃料の供給網が整えば、地域全体のエネルギー安全保障と脱炭素の両立に弾みがつく可能性があります。
2025年現在、世界はエネルギー安全保障と気候変動対策を同時に進める難しい局面にあります。そんな中で、中国吉林省から始まったグリーンアンモニア燃料の世界初の認証は、次の10年を見据えた国際エネルギー市場の方向性を示す一つのサインといえそうです。
Reference(s):
cgtn.com








