AIで「匂いが出るテレビ」登場 Scent TVが映像体験を一歩先へ video poster
AIで「匂いが出るテレビ」登場 Scent TVが映像体験を一歩先へ
映像も音もきれいになった今、テレビが欠けていた最後のピースは「匂い」かもしれません。2025年のCIIEの中国パビリオンに登場した「Scent TV」は、AIとデジタル嗅覚技術を使って、画面に映るものの香りをリアルタイムで届ける新しいテレビ体験を提案しています。
匂いが出るテレビ「Scent TV」とは?
これまでのテレビは、視覚と聴覚には訴えかけられても、嗅覚までは届けられませんでした。Scent TVは、この「最後の感覚」を埋めることを目指した装置です。
特徴は次のように整理できます。
- AIとデジタル嗅覚技術を組み合わせて、画面の内容に応じた香りを生成
- 映像やライブ配信から送られてくる信号を解析し、対応する匂いを選択
- 「scent host(セントホスト)」と呼ばれる専用デバイスから香りを放出
つまり、テレビ番組や動画を見ていると、そのシーンに合わせた匂いが部屋に広がる仕組みです。
どうやって匂いを再現しているのか
Scent TVの中核にあるのが、AIとデジタル嗅覚技術、そして「scent host」と呼ばれる装置です。CIIEの中国パビリオンに展示された仕組みは、おおまかに次のような流れです。
- テレビや配信側が、映像やライブ配信の内容に応じた信号を送る
- AIがその信号を解析し、「どのような匂いがふさわしいか」を判断する
- scent hostが、あらかじめ用意された香りを組み合わせて放出する
「画面に映るものの匂いを出す」と説明されており、料理であれば食材やスパイス、自然の風景なら草木や潮風といったイメージの香りを再現することが想定されています。
エンタメ体験はどう変わる?
匂いが加わることで、映画やドラマ、ライブ配信の体験はどう変わるのでしょうか。国際ニュースとしても注目されるポイントは、「映像体験がより没入型になる」可能性です。
例えば、次のような使い方がイメージできます。
- 料理番組やグルメ動画:画面の向こうの料理の香りを感じながら視聴
- 旅行コンテンツ:海辺や森、都市の雰囲気を香りで補完
- スポーツやライブイベント:スタジアムや会場の空気感を演出
オンライン視聴が当たり前になった今、「現地に行けないけれど、少しでも雰囲気を味わいたい」というニーズに応える試みとも言えます。
楽しさだけではない、気になるポイント
一方で、匂いを扱う技術には、いくつかの課題も見えてきます。これは特定の国や地域ではなく、どこで普及しても共通する論点です。
- 香りの感じ方には個人差:心地よいと感じる匂いの濃さや種類は、人によって大きく異なります。
- 体質やアレルギー:強い香料が苦手な人や、敏感な人への配慮が欠かせません。
- オン・オフの自由度:視聴者が簡単に香り機能を切り替えられる設計が重要になります。
また、AIが個々の好みに合わせて香りを調整するようになる場合、どこまで視聴データを使うのか、といったプライバシー面の議論も今後必要になりそうです。
国際ニュースとして見る「Scent TV」の意味
Scent TVがCIIEの中国パビリオンで披露されたことは、エンタメの話題であると同時に、テクノロジーとライフスタイルの変化を示す国際ニュースでもあります。
- AIが「視覚・聴覚」から「嗅覚」へと領域を広げつつあること
- オンライン配信や動画視聴の体験価値を、さらに高めようとする動き
- テクノロジーが日常の五感の使い方そのものを変え始めていること
スマートフォンで動画を見ながら、同時に香りが届く未来は、決して遠くないかもしれません。テレビや配信サービス、ゲームなど、日本を含む各国・地域の企業がどのようにこの流れを取り込むのかも、これからの注目点です。
「匂いのあるメディア」をどう楽しむか
newstomo.comの読者にとっては、「本当に必要なのか?」「でも一度体験してみたい」という、少し悩ましいテーマかもしれません。
匂いが加わることで、
- ストーリーへの没入感がどれだけ増すのか
- 逆に情報が多くなりすぎて疲れてしまわないか
- どんなジャンルのコンテンツと相性が良いのか
といった問いが生まれます。技術そのものだけでなく、「どのような体験設計が心地よいのか」を考えるきっかけにもなりそうです。
テレビの進化は、画質や音質の競争から、「いかに五感に寄り添うか」という方向へと静かにシフトしつつあります。Scent TVは、その変化を象徴する一つの事例と言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








