中国北部の「遺伝子バンク」で希少野生動物 赤外線カメラがとらえた生命の証し video poster
中国北部・山西省の黎山国家級自然保護区で、このほど赤外線カメラが希少なヒョウやジャコウジカ、複数の希少なキジ類などの姿を捉えました。森林率は90.7%、野生生物は1400種以上とされるこの地域は、北中国の生物多様性を支える重要な遺伝子バンクと位置づけられています。今回の映像は、生態系がいまも力強く息づいていることと、保全の取り組みが成果を上げていることを示す国際ニュースです。
北中国の「遺伝子バンク」黎山国家級自然保護区
黎山国家級自然保護区があるのは、中国北部の山西省です。この保護区は森林に覆われた山地が広がり、森林率は90.7%に達します。確認されている野生生物は1400種以上にのぼり、北中国の生物多様性を支える重要な遺伝子バンクとして位置づけられています。
遺伝子バンクという表現は、単に多くの動物や植物がいるというだけでなく、さまざまな種の遺伝的な多様性が未来に受け継がれていく「自然の貯金箱」である、という意味合いを持ちます。今回の観測は、その貯金箱がいまも豊かであることを具体的な映像として示したと言えます。
赤外線カメラが捉えた希少野生動物
今回、保護区内に設置された赤外線カメラが撮影したのは、保護対象となっている複数の希少種です。なかでも注目されるのが、ノースチャイニーズレオパード(North Chinese leopard)と呼ばれるヒョウの仲間、そしてジャコウジカ(musk deer)、さらに複数の希少なキジ類です。
これらの動物は警戒心が強く、人が近づくと姿を消してしまうことが多いため、従来の調査だけでは生息状況を把握するのが難しい存在でした。人の気配を極力排し、自動的に撮影する赤外線カメラは、こうした希少種の実態に迫るための有力な手段になっています。
食物連鎖の頂点・ヒョウの存在が意味するもの
ヒョウのような肉食大型動物は、生態系の中で食物連鎖の頂点近くに位置します。その姿が確認されるということは、獲物となる草食動物や、それらを支える森林環境が、一定のバランスを保って存在していることを示唆します。
今回の映像は、黎山国家級自然保護区の生態系が、単に「種の数が多い」だけではなく、捕食者と被食者、森と草原が複雑に関わり合うダイナミックな状態を保っている可能性を示しています。
テクノロジーが支える生物多様性の保全
赤外線カメラは、センサーが動きや温度の変化を感知すると自動で撮影を行う仕組みで、昼夜を問わず記録を残せるのが特徴です。今回のような自然保護区では、動物へのストレスや環境への影響を抑えながら、長期間にわたってデータを集めることができます。
- 人が立ち入れない場所や時間帯の様子を記録できる
- 人間による影響を最小限に抑えたモニタリングが可能
- 長期の映像記録から、生息数や行動パターンの変化を読み取れる
こうしたテクノロジーの活用は、野生動物の保全だけでなく、森林管理や生態系の変化を追跡する上でも重要な役割を果たしています。
映像が示す保全の成果と、これからの視点
今回の希少種の撮影は、黎山国家級自然保護区の生態系がいまも「生きている」こと、そして保護区で続けられてきた保全活動が一定の成果をあげていることを裏付けるものとされています。北中国の重要な遺伝子バンクが健全な状態を保っていることは、地域だけでなく地球規模の生物多様性にとっても意味のある出来事です。
一方で、気候変動や人間活動の影響が世界中の生態系に及ぶなか、今回のようなポジティブなニュースは「守れている場所を、どう維持し、広げていくか」という次の問いも投げかけます。継続的なモニタリングと保護区管理、周辺地域との連携など、長期的な視点での取り組みが重要になっていきます。
2025年の私たちへのメッセージ
2025年のいま、中国北部の山西省で記録されたこの映像は、遠い山の中の出来事であると同時に、都市で暮らす私たちにも静かに問いかけるニュースです。多様な生き物が暮らす森が残るかどうかは、気候や水、食料といった私たちの日常とも深くつながっています。
国際ニュースとして伝えられる希少野生動物の話題は、「どこか別の国の特別な話」ではなく、私たち自身のライフスタイルや社会のあり方を考え直すきっかけにもなり得ます。通勤時間やちょっとしたスキマ時間に、このようなニュースに目を向けてみることが、地球規模の生物多様性を守る最初の一歩なのかもしれません。
Reference(s):
Rare wildlife spotted by infrared cameras in the north China gene bank
cgtn.com








