IOCがeスポーツ参入計画を再検討 リヤド開催案を中止し一時停止に video poster
IOCがeスポーツ参入計画を再検討 リヤド開催案を中止し一時停止に
国際オリンピック委員会(IOC)が、初の本格的なeスポーツ大会の立ち上げ計画を一から見直しています。2027年にサウジアラビアのリヤドで予定されていたeスポーツイベントの契約を取り消し、取り組みを一時停止した理由や、今後の方向性が注目されています。
リヤドでの初開催案をキャンセル 計画は「一時停止」へ
IOC会長のカーシー・コヴェントリー氏は、中国メディア・グループ(China Media Group、CMG)が北京で行ったインタビューの中で、IOCがeスポーツ分野への参入計画を再評価していると語りました。
コヴェントリー氏によると、IOCは2027年にサウジアラビアのリヤドで初のeスポーツ大会を開催する契約を結んでいましたが、この合意を取り消し、プロジェクト全体を一度立ち止まって見直すことを決めました。この決定により、IOCによるeスポーツイベントのスケジュールは、再検討の段階に入った形です。
コヴェントリー会長「すべてを研究している」
インタビューでコヴェントリー会長は、現在のスタンスを次のように説明しました。
「私たちは今、あらゆることを研究しているところです。最初の大会を開く時には、必ず実現させたいと信じていますし、皆がeスポーツ大会の開催を望んでいます。ただ、その前に、私たちがこの大会に何を求め、何を生み出したいのかを、非常に明確にしたいのです」と述べました。
発言からは、IOCがeスポーツを一時的に止めたからといって、構想自体を放棄したわけではないことがうかがえます。一方で、目的や理念、期待される成果をあいまいなまま急いでスタートさせることは避けたいという慎重な姿勢もにじみます。
オリンピックとeスポーツ 何を整理する必要があるのか
IOCが「すべてを研究している」とする背景には、eスポーツをオリンピックの枠組みとどのように結びつけるかという課題があります。具体的な点として、例えば次のような論点が考えられます。
- どのような競技タイトルがオリンピックの価値観と調和するか
- 公平性やルール作りをどのように確保するか
- 選手、観客、ゲーム会社など、多様なステークホルダーとどう向き合うか
- 既存のオリンピック大会との関係をどう位置づけるか(別枠の大会とするのか、連動させるのか)
IOCがこうした論点を整理しないまま前に進めば、後からルール変更や方針転換を迫られる可能性もあります。だからこそ、初開催の前に「何を目指す大会なのか」を明確にしようとしていると見ることができます。
2025年12月時点で見えていること・これから注目したい点
2025年12月現在、IOCのeスポーツ大会構想は「中止」ではなく「再検討」の段階にあります。今後の動きとして、次のようなポイントに注目しておくと、ニュースが追いやすくなります。
- リヤドに代わる開催地や開催時期を検討するのか、それとも枠組み自体を大きく作り直すのか
- eスポーツ大会をオリンピック本大会とは切り離した独立イベントとするのか、より密接に結びつけるのか
- IOCがeスポーツ選手やコミュニティの声をどのように取り入れていくのか
- スポンサーや放送など、商業的な側面をどのように設計するのか
こうした点は、eスポーツに関心のある人だけでなく、スポーツビジネスや国際イベントの動向を追う人にとっても重要なテーマになっていきそうです。
まとめ:慎重さとスピードの間で揺れるeスポーツ戦略
eスポーツは、世界的な盛り上がりを見せる新しい競技分野です。その一方で、オリンピックの枠組みにどう取り込むかは、単なる新種目の追加にとどまらず、スポーツの定義や価値観そのものに関わるテーマでもあります。
IOCは、2027年リヤド開催案をいったん取り下げることで、あえて時間をかけて設計し直す道を選んだと言えます。コヴェントリー会長の言葉どおり「何をしてほしい大会なのか」「何をもたらす大会なのか」が整理されたとき、初のeスポーツ大会は、これまでのスポーツのイメージを更新する場になるかもしれません。
今後どのような形でIOCのeスポーツ構想が再始動するのか。2020年代後半のスポーツシーンを大きく変える可能性のある動きとして、引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
IOC undertakes reassessment of inaugural esports event launch
cgtn.com








