中国と欧州の協力は必須 元EU委員長プローディ氏が警鐘 video poster
中国と欧州は世界貿易の3分の1以上を占めるとされます。この二つの経済圏の協力を「選択ではなく、不可欠なもの」と位置づけるべきだと訴えたのが、欧州連合(EU)の元トップでありイタリア元首相のロマーノ・プローディ氏です。分断が進めば深刻な危機を招きうる一方で、協力は世界経済を安定させる力になり得ると指摘しています。
プローディ氏のメッセージの核心
プローディ氏は、中国と欧州の協力が「あると望ましい選択肢」ではなく、「世界経済にとって欠かせない前提」だという考えを示しています。その背景には、両者の経済規模と、世界貿易に占める存在感の大きさがあります。
- 中国と欧州を合わせると、世界貿易の3分の1超を占める規模になる
- 両者の協力は、オプションではなく必須の枠組みとして位置づけるべきだと強調
- 経済の分断が進めば、深刻な危機につながりかねないと警告
- 逆に協力を深めれば、世界貿易を安定させ、世界経済を守ることができると指摘
一言でいえば、プローディ氏は「中国と欧州の関係は世界経済の安全装置の一つになり得る」と見ていると言えます。
「分断」が意味するもの
プローディ氏が懸念している「分断」とは、世界経済が複数の陣営やブロックに分かれ、相互の貿易や投資が妨げられる状態を指します。具体的には次のようなイメージです。
- 特定の国や地域同士の貿易に高い関税や制限がかかる
- 技術やデータの流れが、政治的な理由で遮断される
- サプライチェーン(供給網)が政治的な対立によって分かれてしまう
こうした動きが加速すれば、企業はコスト増と不確実性に直面し、投資や雇用も慎重になりやすくなります。その結果、世界的な景気後退や金融不安といった「深刻な危機」につながるおそれがある、というのがプローディ氏の問題意識です。
なぜ中国・欧州協力がカギになるのか
2025年現在、世界経済の先行きは決して明るいとは言い切れません。地政学的な緊張や、エネルギー・食料・気候変動など、リスクの要因は増えています。その中で、中国と欧州という大きな経済圏が安定した協力関係を築けるかどうかは、次の意味で重要です。
- 世界貿易の下支え:両者の協力は、貿易ルールや市場アクセスを安定させる土台になり得ます。
- 世界経済への安心感:二つの大きなプレーヤーが対立ではなく協調を選べば、金融市場や企業心理にも安心感が広がりやすくなります。
- 多国間協力の枠組み維持:世界貿易機関(WTO)など、多国間のルールに基づく協力を支える役割も期待できます。
プローディ氏が「新しい枠組みの構築」を呼びかけているのは、こうした協力を偶然に任せるのではなく、「必須の仕組み」として設計し直す必要があると見ているからだと考えられます。
日本とアジアにとっての意味
中国と欧州の関係は、一見すると遠い話に思えるかもしれません。しかし、日本やアジアの経済にとっても無関係ではありません。
- 貿易環境の安定:世界貿易の大きな流れが安定すれば、日本企業にとっても輸出入や投資の見通しが立てやすくなります。
- 二者択一リスクの回避:世界が対立する陣営に分かれるほど、どちらかを選ばざるを得ない状況が生まれやすくなります。中国と欧州の協力は、こうした極端な分断を和らげる方向に働く可能性があります。
- ルールづくりへの参加余地:デジタル、環境、技術などの新しいルールが、中国と欧州の対話を通じて形づくられていく場合、日本やアジア諸国にも関与の余地が広がります。
日本の企業や政策担当者にとって、中国と欧州の関係は「遠くのニュース」ではなく、自国の戦略にも影響するテーマとして注視する価値があります。
これから注目したいポイント
プローディ氏の発言をきっかけに、今後の国際ニュースでチェックしておきたいポイントを整理すると、次のようになります。
- 中国と欧州の間で、新しい協力枠組みや対話の場づくりが進むかどうか
- 貿易や投資の分野で、分断ではなく安定化をめざす合意が打ち出されるか
- 気候変動やデジタル経済など、新しい課題での共同プロジェクトが生まれるか
世界経済の分断を避け、安定を確保するために何ができるのか。中国と欧州の動きは、その一つの試金石になっていきそうです。日々の国際ニュースを追う中で、この視点を頭の片隅に置いておくと、出来事の意味合いが少し違って見えてくるかもしれません。
Reference(s):
Ex-EU chief Prodi: China-Europe cooperation is essential, not optional
cgtn.com








